医療教育情報センター

セカンドオピニオンとは

  セカンドオピニオン(second opinion)とは、現在かかっている医師とは別の医師の意見を聞くこと、またはその意見を意味する。具体的には「手術をすすめられたけれど、他に治療法はないのか」など、診断や治療方針について主治医以外の医師の意見を求めることである。
 これまでの医療はとかく病気中心で、科学的に正確な診断をして治療をすれば良くなるという考え方であった。こうした医療は、現在でも急性の病気や交通事故による外傷などには有効であり、担当医師に判断をすべて任せる医療(パターナリズム)が通用する。しかし、高齢社会を迎えた我が国では病気の主体は慢性の生活習慣病であり、病気の原因を取り除く治療をすれば良くなるという論理がそのまま通用しない。生活習慣病は長年にわたるいろいろな生活習慣が重なって現れてくるものであり、患者さんの分身ともいえる。患者さんは医師任せにせず、医療スタッフの援助を得て病気を上手にコントロールする必要がある。
 つまり、これからの医療は、病気・医師中心の医療から、患者さん中心の医療に変わる必要があり、患者さんや家族が治療法を選択することが基本となる。その鍵を握っているのが、インフォームド・コンセント(説明と同意)でありセカンドオピニオンである。この際、重要なことは、患者さんが自分のことは自分で決めたいという意志を持っていることが前提であり、自分の人生にとって何が一番大事かという価値観がはっきりしていなければならないことである。いくつかの選択肢の中から一つを選ぶには、判断の基準となるものがなければ話は堂々巡りし、結局「医師任せ」に終りかねないからである。
 例えば、高齢者の場合、がんであっても老化の過程として現れている面がある。健康診断などでたまたま発見され、症状がない場合は通常の治療法である手術、放射線治療、抗がん剤による治療などは副作用を考えると、患者さんとして躊躇してもおかしくない。この場合、医療者側から十分な説明を受けたり、セカンドオピニオンを得たとしても、本人の人生観や死生観によっては積極的治療を選ばないこともありうる。
 セカンドオピニオンを実践するのはあくまで患者さんである。患者さんは現在かかっている医師から判断材料となるデータを入手したり、画像検査などの資料を借り出す必要がある。セカンドオピニオンは、日本ではまだ普及していないため「主治医に遠慮」して黙って別の病院を訪ねることが少なくないが、勇気をもって主治医に言い出すべきである。
 セカンドオピニオンを求める際は、いきなり受診しても説明に十分な時間をとってもらえないことが少なくない。最近は、相談窓口を作っている病院も増えつつあり、前もって問い合わせたほうがよい。当日は、診断名または症状、現在までのくわしい経過、主治医の意見、質問事項などを整理しておき、家人に同伴してもらうのがよい。いざとなると、要領よく話せなかったり気後れして聞けないこともある。時間を節約し、聞きたいことを漏らさないためである。(TI)

(No002;2003/9/12)



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