医療教育情報センター

補完代替医療/CAM(カム)

 現代西洋医学以外の医療(各種治療法)を、アメリカでは代替医学(alternative medicine)、ヨーロッパでは補完医学(complementary medicine)、わが国では代替(だいたい)医療と言う名称で呼ばれてきたが、近年この二つをまとめて補完代替医療 (complementary and alternative medicine :CAM)、略してカムと国際的に呼ばれるようになった。CAMの範囲は広く、表のように、世界の伝統医学・民間療法はもちろん、さまざまなものを含む。
 西洋医学は分析科学的な方法によって原因をあきらかにし治療を行う。この方法が可能な疾病に対しては成功してきたが、原因が多岐にわたったり精神心理的・社会的要因が関与する疾患に対しては成果をあげていない。病因を特定しないと治療を行えない医療に対して「病気を診て病人を診ない」といわれる所以(ゆえん)である。
 これに対して全人医療は臓器(部分)を診るのではなく、人間を全体として診ていく。CAMは多くの伝統的医療を含み、患者を全人的に治療することによって西洋医学で解決できない難病に対して力を発揮する。概して患者に対して侵襲の少ない治療法であり、薬剤による副作用、医療経済的な側面、医師患者間の不信感などいろいろな医学の問題点を解決し、かつ医療の向上に役立つものと期待が高まっている。
  実際、1997年の調査では、何らかのCAMを使っている国民はアメリカ、ドイツ、フランスでは40%台にのぼるいう。アメリカでは1998年に国立相補代替医療研究センター(NCCAM)が設立され、CAMに関する研究や調査が本格的に進められている。
 一方、日本は古来漢方を実践し、漢方薬を保険薬として認めている数少ない国であるが、1998年ごろからCAMに関する動きが活発化し、いくつかの関連する学会が生まれ、一部の大学ではCAMの教育が始まっている。
 しかしながら、現代西洋医学を完全に否定し、原始時代へ逆行するような医学は当然避けるべきである。連日、新聞の広告欄にみられる誇大広告や患者の弱みにつけ込んだインチキ療法と受け取られる治療法はCAMとは似て非なるものであり、排除されなければならない。(TI)

表 補完代替医療の種類


1) 伝統医学
   漢方薬、鍼・灸、ユナニ(ギリシャ)、アーユルヴェーダ(インド)、チベット医学、
   ホメオパシー、自然療法、温泉療法

2) 手を用いる方法
   マッサージ、指圧、柔道整復、カイロプラクティック、オステオパシー、
   リフレクソロジー 

3) ライフスタイル改善、食事療法、ハーブ療法
   ライフスタイル改善、食事療法、ハーブ、アロマテラピー、健康補助食品、水、
   ビタミン、ミネラル

4) 心身療法
   精神療法、心理療法、催眠療法、バイオフィードバック、瞑想、カウンセリング、
   サポート療法、芸術療法、音楽療法

5) その他
   磁気療法、気功、ヨガ、その他のエネルギー療法


                        (日本代替・相補・伝統医療連合会議まとめ)

(No007;2004/02/06)

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