No8 PET がん検診

 新しく開発されたPET検査(Positron Emission Tomography 陽電子放射断層撮影)による「がん検診」に大きな期待が寄せられている。PET検査は、がん細胞は分裂増殖しブドウ糖を活発に取り込む性質を利用している。放射性物質とブドウ糖を結合させた薬剤を注射し断層撮影すると、ブドウ糖を取り込んでいるがん細胞と他の細胞と区別できる。これまでの各種画像検査との違いは形態だけでなく細胞の活動状態が分かることである。特長として、一回で全身のがん検査が可能、1センチ前後の微小ながんの発見も可能、腫瘍の良性・悪性の判定に有用、検査はほとんど副作用や苦痛がなく被爆量が少ない、などの点が挙げられている。しかし、次のような課題もある。胃がんや大腸がんの早期発見には内視鏡のほうが優れているし、肺がんについてもCTスキャンが勝っている。脳、腎臓、膀胱などはPET検査には適していない。一部のがん患者の検査には昨年から保険適用になったが、自費では非常に高価である。
 一般的にがんは1cmほどに成長するまで10〜15 年かかり、それ以降は急に増殖速度を速めるといわれている。がんの早期発見・早期治療だけでなく、がんの進展を抑え、発症を防ぐ生活習慣の見直しも同時に重要ではなかろうか。

(No008;2003/11/7) TI