医療教育情報センター

No10 サーズ(SARS)について

 サーズ(SARS Severe Acute Respiratory Syndrome、重症急性呼吸器症候群)は、今年はじめに世界中の人を震撼させた新型の感染症で記憶に新しい。2002年11月から今年7月までに世界で8,400人以上が感染し900人以上が死亡した。
 病原体は、新型のコロナウイルス(SARS CoV)で動物由来と推測されるがまだ特効薬はない。20歳から70歳の成人に男女の差がなく感染するが、小児の感染は少ない。
2〜10日の潜伏期を経て、通常38度以上の発熱を伴って発病し、悪寒、筋肉の痛みやこわばり、頭痛、倦怠感などインフルエンザとよく似た症状を示し、初期にはインフルエンザと区別がつきにくい。確定診断は、ウイルス遺伝子の検出や抗体価で行うが迅速な診断法は目下開発中である。感染は、飛沫感染と接触感染で、空気感染の可能性も否定できない。感染者の約10〜20%が重症化し、全体の死亡率は約10%であるが、45歳ぐらいから高率となり65歳以上では50%以上といわれる。
 今年の経験を踏まえて国・自治体・病院のサーズ対策は急速に進みつつあるが、万全といえる体制には至っていない。今冬のインフルエンザなど呼吸器感染症の流行と併せて、感染症情報への関心を高めたい。個人としては、手洗い・うがい・マスクなどの予防対策、インフルエンザワクチン接種、平素からの休養と疲労防止などに留意したい。(RT)

(No010;2003/12/12)


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