医療教育情報センター

No11 身体拘束ゼロ

 平成12年より実施された介護保険制度では、法律で身体を拘束することが禁止されている。病院では重症で意識のない患者が無意識に点滴注射を抜かないように手足を縛って動かないようにしている場面を見かけるが、介護保険法では利用者の行動を制限することを一切禁止している。
 介護を必要とする人の中には痴呆のために勝手にベッドから降りて動き回り、転倒して怪我をする危険性のある場合にベッドに縛り付けたり、車椅子に身体を固定したりしていたが、これらのことは禁止されている。また、ベッドから勝手に降りないように四方を柵で囲むことや行動を落ち着かせるために、安定剤などの向精神薬を過剰に服用させたり、自分の意思で開けることのできない居室に隔離することも禁止されている。栄養チューブが入っている人が抜かないように四肢をひもで縛る、手指の機能を制限するミトン型の手袋をつけたり、介護衣(つなぎ服)を使うことも禁止されている。
 もし本人自身あるいは他の利用者に危険が及ぶ可能性があるような止むを得ない場合にはその理由を記載して、期限を決めて家族から同意書を貰わなければならないことになっている。また、それが継続的に必要であるか、拘束をはずすことができないかを定期的に検討して、その記録を残さなければならないことになっている。
 このように介護保険では、高齢者が少しでも尊厳ある生活を過ごせることを保障するための努力がなされているのである。(SF)

(No011;2003/12/26)


戻る