医療教育情報センター

No18 うつ対応マニュアル(厚生労働省)

 最近、電車に乗っていて人身事故のためダイヤが乱れるという放送を耳にすることが少なくない。これは飛び込み自殺によるものと思われるが、実際、自殺による年間の死亡者数が1998年より連続して3万人を超えている。これは交通事故による死者の4倍近くになる。自殺の原因としては、うつ病が関係することが多く、うつ病の15%が自殺しているといわれる。
 このような状況を踏まえ、厚生労働省の検討会が「うつ対応マニュアル」を本年1月にまとめた。マニュアルは、うつ病を予防し、早期発見・早期治療を可能にし、うつ病にかかっている人を長く支えることができる地域の環境をつくり、住民の心の健康の向上をはかることを目的として、保健師や看護師などの保健医療従事者がどのように対応したらよいかを示したものである。
 マニュアルでは、うつの状態に早く気付くための普及・啓発活動に取り組む一次予防、早期発見のために質問票を使ったスクリーニングなどを実施する二次予防、患者やその家族を支える三次予防の三段階に分けて対策を紹介している。
 うつ病は特別な病気ではない。性格は几帳面、真面目、仕事熱心といった人が多い。自分が弱いからとか、自分は怠け者だと思って自分を責める。また自分を病気だとは考えず、受診しないことが多いが、休養、服薬、病気を自覚することによってよくなる病気である。その意味で、保健医療従事者が、医療機関に行かない患者に受診を勧める際に伝えるべきことや、うつ病を抱える住民に接する際の具体的なノウハウを盛り込んだ本マニュアルの公表は時宜を得たものといえる。(TI

(No018;2004/04/12)
厚生労働省 地域におけるうつ対策検討会報告書
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