医療教育情報センター

No21 世界医師会について

 世界医師会World Medical Association(WMA)の定例理事会が5月13日〜15日にフランスのDivonneで開かれた。世界医師会は1948年に設立され、現在82ヶ国の医師会が加盟している。
 世界医師会といえば、ヘルシンキ宣言(1964年)を思い起こすように、ヒトを対象とする医学研究の倫理綱領を策定した功績は大きい。WMA理事会の中には、医の倫理委員会、社会医学委員会、財務企画委員会の三つの常置委員会があり、前回理事会で提起された課題について継続的に審議し、その結果を報告することになっている。
 医の倫理委員会では、現在なおヘルシンキ宣言についての見直しが行われており、とくに医薬品の臨床試験の実施に際して生じるさまざまな問題について議論が続いている。この辺りは各国のお国事情を反映している。例えば、貧困の被験者がAIDS治療開発薬で治験を受けた場合、試験終了と同時に治療をうち切らないよう付帯事項をつけるべきだと主張するアフリカ諸国と、製薬メーカーに配慮してかその必要はないとするアメリカ医師会との論争などはその例であろう。
 Zimbabwe、Ugandaなどでは内戦で医師、看護婦が国外に脱出し、国民の医療は危機状態にある、とか、Bulgariaの医師、看護婦がSaudi Arabiaで無実の罪で拘束され処刑されそうだから救って欲しいなどといった胸の痛くなる話が委員会で出されたりした。
 そうした中で日本医師会は医療費抑制政策の中で、いかにして国民皆保険を堅守し、医療の質を高めて国民の健康を維持するかに専念していることをアピールした。
 時恰かも本年10月6日〜9日に世界医師会総会が東京で30年ぶりに開催される。世界各国から集まる医師たちに日本の医療の現状をよく知ってもらうよい機会となることを期待している。(NH)

(No021;2004/06/07)


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