医療教育情報センター

No27 一般用漢方薬の「効能」見直し

 現在処方せんがなくても薬局で購入できる一般用漢方薬は210種類あり、1974年に厚生省が定めた承認基準のまま、薬品名や効能・効果が薬の容器に表示されている。高齢化が進み、主な病気は生活習慣病などの慢性病になっている現状から、全身症状(不定愁訴)や慢性病に効くとされる漢方薬をもっと役立たせるため、2004年7月厚生労働省は一般用漢方薬の承認基準を30年ぶりに見直す方向で検討を始めた。
 検討されている見直しの主な内容は次のようなものである。古くなった表現を改め国民に分かりやすい表示にする。例えば、胃アトニーのような分かりにくい表現は胃腸虚弱とする。風邪薬として知られる葛根湯の効能は感冒となっているのを感冒初期(汗をかいていないもの)ときめ細かい表現にする。アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎などアレルギー疾患を新に加える。
 西洋医学は臓器を診て人間を見ないといわれるが、漢方医学は人間そのものをとらえる。西洋医学と同じように、問診と診察から「陰、陽、虚、実」などの「証(しょう)」という診断にいたり、この「証」にしたがって漢方薬が処方される。同じ症状であっても個々の患者によって「証」は異なることがあり、その場合、処方される漢方薬も異なる。
 一般漢方薬は医師の診察を必要としないが、漢方医学には「証」という独自の使用基準があることを知って利用する必要がある。改正では、のむ人の体質や症状に合わせて選ぶことが重視されるため、「体力のない人」「胃腸虚弱の人」などのむべき人、のむべきでない人の特徴も全種類に新たに明記するという。副作用は一般に少ないが重篤なものもあり、利用者自身の判断も重要になる。(TI)

(No027;2004/08/20)


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