医療教育情報センター

No40 認知症(痴呆)
       

 平成16年12月26日厚生労働省は従来から使用されていた痴呆という言葉の代わりに認知症という用語を使うことを発表した。その理由として痴呆は「侮蔑的な表現である上に、『痴呆』の実態を正確に表しておらず、早期発見・早期診断などの支障となっている」ためとして、都道府県や関係する学会、日本新聞協会などに変更を求める通知をだした。
 認知症は脳の病気であるが、運動機能は正常で、記憶障害、抽象能力や判断力の低下、見当識障害などを主な症状とし、これに妄想、抑うつ、せん妄、徘徊などの周辺症状を伴う症候群で、介護をする人に負担をかけることが多い。原因としては医学的に100位の疾患が挙げられるが、アルツハイマー病と脳血管性認知症が全体の7割を占めている。
 疫学的調査では65歳以上の人たちの4−5%、85歳を超えると4,5人に一人は認知症となり、厚労省推計によると平成17年には65歳以上の認知症比率が7.65%、188.8万人になるとされている。
 平成16年10月京都国際会議場で開催された国際アルツハイマー病協会・第20回国際会議・京都・2004では、アルツハイマー病患者自身が自分の考え・主張を学会場で報告した。本疾患を早期に発見して、塩酸ドネペジル(アリセプト)などの薬剤の使用と同時に芸術療法などを続けることにより、発症から10年以上も普通の生活ができることを証明し、アルツハイマー病への偏見(認知症になると何も出来ない)をなくし、人間としての権利を認めて欲しいということが発表された。日本の認知症患者を抱える家族は“「ぼけ」でも安心して暮らせる社会”を目指して今から25年前に「呆け老人をかかえる家族の会」を京都で発足させて活動を続け、今回の国際会議の開催を主催した。
 認知症という用語については日本心理学会などが連名で平成16年12月15日に厚生労働省「痴呆」に替わる用語に関する検討会に対して反対の意見書を出し、「認知失調症」という名称をを提案したが、採用されなかった。(SF)

(No040;2005/05/06)


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