No42 知ってもらいたい医学用語の基本 (4)循環障害 その1

 血液やリンパ液は体の中を均衡を保ちながら循環している。その均衡が破れた異常な状態を循環障害といって、多くの種類がある。
 血液は呼吸で得た酸素及び消化管で消化・吸収されものや、肝臓で中間代謝された栄養物を臓器・組織に運ぶ。そしてそれらの臓器・組織から不要となった炭酸ガスと老廃物を受け取って、体外へ排出させる経路となる。

1.血流静止
血液の流れが止まっている状態。
2.鬱血
局所から心臓へ戻る静脈血がその局所に鬱滞する状態。この時その局所の毛細血管圧は上昇する。例えば大腿静脈の中で血液が固まれば(血栓)、その下流である足の静脈圧と毛細血管圧が上昇する。その時足に鬱血が起こったと言う。鬱血の原因はいろいろある。心不全(心臓が弱ってポンプの力が弱くなっている)では全身に鬱血が起こる。従って鬱血は受動的なものである。
3.充血
鬱血とは異なり、局所に動脈血が能動的に集まった状態である。炎症の場所が赤くなる(発赤、潮紅)は局所に動脈血が能動的に集まるためである。それは防御反応を担っているのである。
4.血栓
血液は液体で、流動性があるが、傷を受けたときに、それが余り大きなものでなければ、血液が固まって出血は自然にとまる。何らかの異常があると(血液の異常、血管の異常、血流の異常)、血管の中で、血液が固まってしまうことがある。この血管内で固まったものを血栓と呼び、そのような病的状態を血栓症という。心筋梗塞は多くの場合、心臓を養っている冠状動脈に血栓が生じたために起こる。その血栓ができる前提として動脈硬化がある。
5.塞栓
血管の中に異常なものが生じた状態である。それが血流とともに血管の中を流れるので、一旦出来た血栓が血管の壁から剥がれて、血流と共に流れるとそれも塞栓となり、血栓性塞栓と呼ばれる。いわゆるエコノミークラス症候群と呼ばれるものは、下肢の静脈に出来た血栓が剥がれて、流れ、下大静脈を通って、右心房更に右心室を通って、肺動脈を塞ぐために起こるのである。

(No042n;2005/06/17) IS