医療教育情報センター

No51 インフルエンザとタミフル        

 厚生労働省は12月27日、全国約5000か所の医療機関における定点観測の結果からインフルエンザが例年よりも1か月早く流行期に入ったと発表した。同時にインフルエンザの特効薬であるタミフルの不足を防ぐため医師に適正な使用を呼びかけ、タミフルの効果が期待できる発病後48時間以内で診断が確定してから投与し、普通の風邪には使わないことなどを求めている。
 これは、タミフルが海外で死亡者も出ている新型インフルエンザの治療薬としても期待されており、国の対策として計2100万人分の備蓄を始めたこととも関連していると考えられる。
 タミフルを元気な青壮年に一律に使用することは一考を要する。本来、インフルエンザは対症療法で1週間以内に治癒するものであり、これによって自然に免疫を獲得し、薬剤耐性の出現を抑制することにもなるからである。
 インフルエンザの予防には、うがいや手洗いを励行することが有効であるが、マスクの効用については案外、知られていない。気道に侵入したウイルスは最初、粘膜に付着したままであるが、これを排除するのは粘膜の繊毛(せんもう)の働きである。冷たく乾燥した空気を吸い込むと粘膜は乾燥し血流が悪くなり繊毛の機能を低下させる。マスクはウイルスの侵入をブロックする効果はないが、保湿と保温により気道粘膜を守り感染を防ぐ効果がある。寒い日の外出時だけでなく、エアコンで空気が乾燥した場所でマスクをする。夜、口を開けて寝る習慣のある高齢者では濡れマスクを口にしてやすむことを勧めたい。 (TI)

(No051;2006/01/16)

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