医療教育情報センター

No52 日本の専門医制度        

日本の専門医制度は、全体の調整、整理が残念ながら未だ十分ではない。
 日本の専門医は麻酔科標榜医・指導医制度が1963年に発足したのが初めである。その後、1966年に脳神経外科学会認定医、1968年に内科学会認定医制度が発足し、その後は続々と各学会認定医が誕生した。乱立気味となったので、1981年に学会認定医制度協議会が設立され、日本医師会と日本医学会との民間三団体の合同懇談会(三者懇)が持たれて各学会の調整が図られた。この三者懇談会は主要な基本的診療領域を定め、その領域の学会の専門医資格を1医師1専門医に限り相互に承認し、その専門医の氏名は院内に限って掲示できるようにした。
 このような長い歴史的経過の後に、2002年に厚生労働省は、医療法の改正をせずに医政局長の通達で、一定の基準を満たしている学会の専門医を院外にも広告できることとした。この基準によって多くは学会認定医と呼ばれていたものが学会専門医と呼ぶことに統一された。
 このように専門医制度は一部国家機関の認めるものとなったが、各学会の専門医制度の調整及びいわゆる2階建てといわれている超専門医制度との合理的な仕組みの設定は未だ不完全である。国民の立場からは、将来は一般医(家庭医あるいはプライマリケア医)の専門医制度の位置づけ、日本の医療の将来を考えた各専門医の適正数の設定、一旦取得した専門医資格の生涯学習と関連づけた再認定制度、一般医を含めた各専門医の適正配置等々に関する議論が求められる。そうならないと、現在問題となっている小児科医や産婦人科医の不足、数十年にわたって殆ど放置されてきた中央診療部門の医師(放射線科医、麻酔科医、臨床検査医、病理医)の絶望的なまでの不足及び医師の地域別偏在は根本的には解消されないのではないか。(IS)

(No052;2006/01/27)


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