医療教育情報センター

No55 日本医師会生涯教育推進委員会の答申が提出された        

 日本医師会の生涯教育推進委員会が平成18年3月16日に会長へ答申書を提出した。日本医師会会員は、いわゆる開業医、病院を経営している医師、病院や診療所などに勤務している医師、大学や研究所に所属している医師などで構成され、その専門はあらゆる診療領域を網羅している。総ての専門領域にわたっている会員の生涯教育をどのように展開するのか、極めて難しい問題である。
 プライマリケア医であろうが、或いは診療科の専門医であろうが、医師であるならば必須の基本的な医療に関わる知識、技術および態度(患者さんに対する奉仕の心及び生涯教育を己に課すという習慣性)を全員が身に着けるべきであるとの理念の下で生涯教育を展開すべきと提言している。
 昭和62年以来、様々な生涯教育(講演会、インターネットを利用しての自己解答による通信教育、研修医を指導するための訓練ワークショップ(土曜・日曜の1泊2日が多い)と研修医への実地指導、医師国家試験プール問題の作成、医師会発行の学術論文の購読とその評価など)を行ってきている。それらへの参加者には単位を与え、その単位数を自己申告する方策が採られている。自己申告率は年々上昇し、平成6年度の39.9%から平成16年度は74.1%と急上昇している。会員の意識が高まった結果であろう。更に新しい医療技術の実地訓練コースの企画や生涯教育認定単位の継続的な見直しも提言されている。根本的には生涯教育を自らに課すという使命感の醸成こそが求められる。
 医師会は上述のように普遍的に共有すべき基本的な課題を教育内容とするが、以下の3項目を、特に日本医師会が積極的に取り組んで欲しい課題であると意見具申した。
(1)卒後3年目からの後期臨床研修制度の理念、制度、具体的内容を早急に検討する。
(2)乱立気味の専門医制度を日本医師会主導で整理する。
(3)プライマリケア医の専門医制度を創設する方向で主導的な役割を果たす。
 これらが早急に達成されないと、現在小児科医や産婦人科医が不足しているような異常事態を打破できないばかりでなく、将来においても同じような医師の専門別及び地域別偏在は恒常的に継続するであろう。(IS)

 

(No055;2006/04/07)


戻る