医療教育情報センター

No61 終末期医療の指針作り        

 富山県射水市民病院の外科部長が人工呼吸器を外し末期患者7人が死亡した。部長は尊厳死であると主張しているが、7人のうち6人は患者本人の直接の同意がなく、家族の同意だけだったことから、自らの意思に関係なく安楽死させられた疑いがあるとして問題になっている。
 安楽死には、毒物の投与などによる「積極的安楽死」と人工呼吸器や栄養補給など生命維持処置を止めることで延命治療を中止する「消極的安楽死」がある。東海大安楽死事件の横浜地裁判決は「治る見込みのない病気で死期が迫り、家族らによる推定も含め本人の意思があること」などを許容条件として挙げたが、医療現場では「法的基準が明確でない中での終末期医療の方針づくりは難しい」とし、国に終末期医療に関する具体的な指針を作成することを求める声が出ている。
 厚生労働省は2005年に研究班を設置し、終末期医療の指針作りを検討しているが、研究班は、治る見込みがない病気で死期が迫った患者の延命治療中止について、患者本人の意思を第三者が客観的に確認するなど、「患者の人権を保護する何らかの法的枠組みが必要」とする報告書をまとめ厚労省に提出した。同省は研究班の議論を踏まえながら延命治療中止に関する指針を2007年中に示したいとしている。
 指針作りは、患者本人の意思を尊重することが核心になっているが、医療現場で実行することは容易ではない。それだけに日頃から自分の最期はどうありたいかという意思をリビングウイルとしてはっきり持っているように心がけたいものである。(TI)

(No061;2006/08/25)


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