医療教育情報センター

No65 地方の医師不足解消へ10県で医学部定員増        

 地方の公立病院などで産婦人科・小児科など特定の診療科の医師が不足して満足な診療ができないことが問題になっている。これまで国は医学部の定員を抑制してきたが、医師の都市部への流出・偏在が深刻なことから24年ぶりに方針転換し、医師不足が深刻な地方の10県について、平成20年度から暫定的に大学医学部の入学定員を増やすことを決めた。
 定員増が認められたのは、平成16年に人口10万人あたりの医師が200人未満で、100平方キロあたりの医師数が60人未満だった青森、岩手、秋田、山形、福島、新潟、山梨、長野、岐阜、三重の各県である。平成20年度から最長10年にわたり、年間最大10人を限度として増員を認めることにしたという。
 しかし、医師は年間3500人以上も増えており、定員だけ増やしても根本的解決にはならない。地方の大学の医学生が、必ずしも地方にとどまるわけではなく、また不足している診療科に行くかどうかも分らない。都市部や特定の診療科の偏在について根本的に検討する必要がある。
 医師の偏在の原因は、医師の使命感が薄らぎ、勤務が過酷な病院や訴訟の多い診療科を敬遠する傾向が強いことがあげられている。また、医学部学生の約半数は女性であるのに女医が出産・育児をする際のバックアップ体制が整っていないこともある。
 医師不足の問題を医師数とか過酷な業務という面からのみ議論されているが、医師という仕事は元々、多忙で責任が重い仕事である。それだけにやりがいのある仕事ともいえる。医師になりたい学生が医師になれる医学部の選抜方法を取り入れ、いったん社会に出てからでも入学できる4年制の医学専門学校制度(メディカルスクール構想)の導入を検討すべきではないかと思われる。(TI)


 

(No065;2006/10/27)


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