医療教育情報センター

No70 狭心症の期待される新しい治療法        

 手術をせずに治療する体外衝撃波治療が腎臓結石や尿管結石に対して行なわれている。この衝撃波を利用して狭心症を治療しようという試みが東北大学循環器内科で行われている(読売新聞・平成19年1月19日)。血管腔に接する血管内皮細胞の働きには、血液の凝固を防ぐ、血液に含まれる物質を選択的に血管壁へ浸透させるという働きの他に、内皮細胞由来弛緩因子EDRF(血管を拡張させる。発見者はノ−ベル賞受賞。化学的には一酸化窒素)やエンドセリン(日本人が発見した血管収縮因子)の産生がある。
 この内皮細胞に衝撃波を加えると、その細胞は一酸化窒素を生じるという研究があり、更に動物実験で微小血管が生じてくるという研究に発展した。それらの基礎的研究の結果を基として、狭心症患者に体外から弱い衝撃波を加える治療を行なうと、狭心症による胸痛が軽減したという。恐らく動脈硬化で内腔が狭くなった冠状動脈の上流と下流の間に微小血管ができ、手術に拠らないバイパスが生じたのであろう。患者さんの体への負担は殆ど無く、もしこれが実際に応用されるようになれば医療費抑制の面からも期待される治療法である。(IS)

(No070;2007/02/02)


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