医療教育情報センター

No72 リハビリ日数制限の見直し        

 昨年4月の診療報酬改定で、脳卒中などの患者が医療保険で受けるリハビリが制限された。それまでは制限なく受けることができていたが、診療報酬改定によって一部の特定疾患を除き、90〜180日の日数制限が設けられてしまったのである。つまり急性期のリハビリは医療保険で、維持期リハビリは介護保険でという区別分担となった。
 しかし、改定後「医療保険のリハビリが必要な日数には病気の種類や個人差が大きい、また介護保険で行われるリハビリは医学的に十分とはいえない」という批判の声が高まり、現場の医師・患者から48万人の署名が厚労省に提出され、国会でも野党が激しく反対した。
 柳沢厚労相は3月14日、中央社会保険医療協議会(中医協)に対し、リハビリテーション料の緊急見直しについて諮問を行い、即日答申を得た。厚労省は当初平成20年度の次回改定で見直しを考えていたが、異例の緊急改定となった。
 今回の緊急改訂では、リハビリにより改善の見込みがある患者は算定日数上限を超えた以後もリハビリを継続できるよう、現行の除外患者(筋萎縮性側索硬化症(ALS)、悪性関節リウマチなど約50種の特定疾患)に新たに急性心筋症梗塞、狭心症、慢性閉塞性肺疾患を追加した。これらの疾患以外でも改善の見込みがあると医師が判断したときは、リハビリの延長を認めるとした。
 さらに維持期リハビリが必要な若年患者や介護保険で適切なリハビリを受けられない患者を救うため、医療保険でも維持期リハビリができるようにするという。そのため原則月1回に限り算定できる包括点数として新たに「リハビリテーション医学管理料」を設定した。今回の答申後、中医協・土田武史会長は、リハビリ料に問題が生じたのは、医療保険と介護保険の連携が十分でなかったためと言っている。
 このことは「医療保険は早期リハビリを、介護保険は維持期リハビリを受け持つ」というポリシーを概念として捉えているからで、こうした役割分担で規制できない病状はいくらでもある。脳血管障害、心疾患などの後遺症のリハビリ、神経変性性疾患のリハビリ、高齢者認知症のリハビリなど病気によって一概に律することはできないことをもっと検討すべきである。
 厚労省も医療が保険局、介護は老健局という縦割りであることが「医療と介護」の間の風通しを悪くしているのなら、この両者間の綿密な連携が必要である。(NH)
 
(No072;2007/03/19)


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