医療教育情報センター

No75 在宅療養支援診療所        

 2006年度の診療報酬改定で新設された制度で、24時間365日の対応が可能であり、在宅での看取り(ターミナルケア)の中心的役割を果たすことが、期待されている。2007年4月現在、日本全国にある一般診療所約99000箇所の内、約9400の診療所が届け出ているという。
 在宅療養支援診療所として次のような要件を満たすことが必要とされている。
 * 保険医療機関の診療所であること
 * その診療所には、24時間連絡を受ける医師又は看護職員を配置し、その連絡先
    を文書で患者・家族に提供していること
 * その診療所では、他の保険医療機関の保険医との連携をとり、その診療所を中
    心として、患者・家族の求めに応じて、24時間往診が可能な体制を確保し、
    往診担当医の氏名、担当日などを文書で患者・家族に提供していること
 * その診療所では、他の保険医療機関、訪問看護ステーションなどの看護職員との
    連携により、患者・家族の求めに応じて、その診療所の医師の指示に基づき、24
    時間訪問看護の提供が可能な体制を確保し、訪問看護の担当看護職員の氏
    名、担当日などを文書で患者・家族に提供していること
 * その診療所では、他の保険医療機関との連携により、他の保険医療機関内で、
    在宅療養患者の緊急入院を受け入れる体制を確保していること
 * 医療サービスと介護サービスとの連携を担当する介護支援専門員(ケアマネー
    ジャー)と連携していること
 * その診療所における在宅看取り数を報告すること
 これまでは、末期に近い患者が在宅で療養していて容態が変化した時、夜間などにかかりつけ医に連絡が取り難いという不安があったが、慢性疾患の患者が時間外に救急病院を受診しなくてもすむようになることも期待されている。
 しかし担当する医師の側からみれば、患者からの連絡を24時間とれる体制にしなければならないとなると、医師自身のくつろげる時間が取れなくなる可能性もあり、他の医療機関との連携が大切になる。また、訪問を担当する看護師や介護支援専門員とも協力しなければならないので、地域の診療所においてもチーム医療の実践が大切になる。
 現在新たに検討されている後期高齢者医療制度でも在宅療養支援診療所の役割が重要になると考えられる。高齢の患者さんが肺炎や心臓病、脳卒中などで入院して急性期治療を終えて症状が安定すれば、往診、訪問看護・介護を行うことにより、住み慣れた自宅で療養することが可能となることが期待されている。
 これまで在宅あるいは老人ホームなどの施設に入所している末期状態患者の最後は誰が看取り、死亡診断書を誰が書くか問題であったが、死亡確認のために病院へ運ぶこともなく、在宅療養支援診療所であれば、常勤医師のいない老人ホームなど施設でも最後の看取りができることになる。(SF)
(No075;2007/05/11)


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