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カテーテルアブレーション

 外科的手術療法よりも非侵襲的な治療法として血管内にカテーテルを挿入して治療する方法が開発されている。狭心症や心筋梗塞の原因となる冠状動脈狭窄に対して狭窄を拡大してステントを入れる治療や、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤を血管内から閉塞する方法が行われるが、心臓のリズムが乱れる不整脈の治療としてアブレーションがある。
 不整脈に対する非薬物療法としては1969年に外科医SealyらによりWPW症候群の副伝導路を外科的に離断したのが最初である。その後開胸しないで心臓に達する手法としてカテーテルが開発され、1982年に薬物抵抗性心房細動症例に対してカテーテルを用いて房室結合部位に高エネルギー直流電流をかける治療が行われた。それからカテーテルを用いて副伝導路や心室頻拍に直流電流アブレーションを行う治療ができるようになった。直流電流は合併症のため臨床で広く使用することは不可能であったが、高エネルギーの電流を発生するラジオ波を放出させる方法が開発され、より信頼出来る効果を得るための一定温度が設定されるようになった。さらに通電容積を増やすために大きな先端チップが用いられ、カテーテルの先端の穴から生食水が流れるようになった‘cooled tip’も開発されている。
 カテーテルアブレーションの適応として挙げられているのは心房頻拍(心房細動、心房粗動)、副伝導路症候群(WPW症候群など)、心室頻拍(心室細動、心室粗動)などがある。
 実施方法としてはX線透視室で、局所麻酔あるいは静脈麻酔のもとに、両側の足の付け根(鼠径部)から動脈と静脈、両側の手首(手関節)の動脈、場合によっては頚の頚静脈からカテーテルが3〜4本挿入される。X線透視下に目的とする部位までカテーテルの先端をすすめ、術中の電気生理学的検査で、異常部位が特定されると、治療目的とする部位に一定の温度と時間通電して、アブレーションを終える。これらの操作中は特に痛みや苦痛を感じることはない。 (SF

(No081r;2011/04/08)


不整脈 カテーテル アブレーション 非薬物療法

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