医療教育情報センター

No82 胃食道逆流症(GERD)


 最近ではピロリ菌が胃炎や胃潰瘍の原因であることはよく知られ、胃炎や胃潰瘍の治療対象となっている。しかし皮肉なことに、医療の進歩や衛生環境が良くなってピロリ菌感染が減ると、別な病気が増えるということが起こるらしい。胃の内容物が食道に逆流する病気である胃食道逆流症(gastroesohageal reflux disease:GERD)がそれである。日本でもこの胃食道逆流症が増えているし、将来もっと増加するであろうと言われている。
 ピロリ菌感染が減り、食生活が欧米化すると、食道の粘膜を傷害するような胃の内容物(強酸性である胃液を含む)が食道へ逆流することによって特に食道下部に炎症が起こり、糜爛や潰瘍ができる。これを逆流性食道炎という。胸やけや咽に苦い酸っぱい感じがするようになる。下部食道括約筋の機能障害が成因として考えられ、高脂肪食や大量の食物摂取によって誘発される。ピロリ菌の感染が慢性化すると胃粘膜の萎縮が起こり胃酸は低下するが、ピロリ菌が退治されると胃粘膜の萎縮が減り、そして胃酸分泌の低下がないので、逆流した胃液の強い酸が食道粘膜を傷害することになる。
 だからと言って高脂肪食を沢山食べると、肥満や動脈硬化を誘発する。要は適度のバランスが大事ということである。(IS)


(No082;2007/09/03)


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