医療教育情報センター

No89 タミフルによる異常行動の調査結果

 リン酸オセルタミビル(商品名:タミフル)は,インフルエンザによく効くことで知られている。しかし最近、タミフル服用児に異常行動が起こることが報告されたので、厚生労働省では「インフルエンザ罹患に伴う異常行動に関する研究調査」を行い、その結果が12月16日に報告された。
 今回発表されたのは、2006年/07年のシーズンにインフルエンザ患者の重度の異常行動137例について解析した結果である。全国の医療機関から異常行動について報告のあった発症の明確な30歳以下の症例である。異常行動は、@突然走り出した、A飛び降りた、Bその他予期できない行動、とした。137名中82人(60%)がタミフルを服用していたが、52人(38%)は使用していなかった。3人(2%)は不明であった。インフルエンザのとき使う他の薬剤では、リレンザは76%が使用していない、7%が使用していた。アセトアミノフエン(鎮痛解熱剤)は39%が使用していないが、37%は使用していた。
 以上のことから異常行動を起こしたインフルエンザ患者の6割がタミフルを使用していたが、4割は服用していなくても重度の異常行動を起こしていることが分かった。
 性別では74%が男性、26%が女性で、男性の方が異常行動を起こしやすいことが分かった。
 実は平成19年3月21日に厚労省は緊急安全性情報を出して、異常行動を起こし易い10歳代はタミフルの「原則使用禁止」を全国の医療機関に向けて通達した。従って3月21日以降は、10歳代インフルエンザ患者の異常行動は減少すると思われたが、3月21日以降も10歳未満と10歳代を比較して特別変わっていなかった。
 このことから研究班では、インフルエンザの罹患時にこれまで考えていたインフルエンザ脳症とは異なる脳の異常が起こる可能性のあることが示唆され、タミフルが直接、異常行動を起こしている可能性は低いが、間接的には関与している可能性は残されているので、今後も検討を続けることが必要であるとしている。(NH)
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(No089;2007/12/25)

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