医療教育情報センター

No96 幸福感と健康

 医療ニュースの欄でこのような題でのお話はやや奇異に感じる方が居るかも知れない。
 筆者は2年前に心臓・冠動脈のバイパス手術を受け、命拾いをした体験から、精神的・心理的な葛藤が肉体の変調に大いに関わっていることを実感している。
 いろいろな検査で心臓の状態は大変良好と言われているのに、例えば非常に立腹することがあったり(最近の日本では癪にさわることが多すぎるが….)、前以って結論が決まっていて時間の無駄とも言えるような会議などに出席した後は、お腹の筋肉が緊張したり、腰が痛くなったり、足が重くだるくなったりすることがしばしば経験される。立腹したり、詰まらないと感じたりするのは、主観的なもので、その強弱や質を臨床検査の数値で表すことはできない。従って、お医者さんは患者さんがどの程度辛いのか、客観的に評価できない。
 笑いが多いと、リンパ球の一つであるNK細胞(Natural Killer Cell:.がん細胞や傷害された細胞をお掃除する細胞)の活性が増すという報告があるが、幸福感はその人にしか分からない主観的なものである。精神的・心理的にリラックスすると、動脈は拡張し、血圧は下がり、動脈硬化の進展を防ぐ。
 「タイム」誌に幸福の科学という特集があった。その中で満足できる人生を送るための8つのステップが紹介されていた。(1)神のご加護に感謝する(キリスト教信者は神と言っているが、仏様でもよい)、(2)他人への親切を実践する、(3)人生の楽しみをよく噛み締める、(4)教えてくれた人や助けてくれた人達に心から感謝する、(5)他人の過ちを許してあげる、(6)友人や家族と一緒の時間をもつ、(7)体に気をつける、(8)ストレスや困難を乗り越える工夫をする。
 以前は日本人の美徳とされていたが、最近の日本人に欠けてしまったもののように感じる。(IS)


心筋梗塞 心臓冠動脈バイパス手術 NK細胞 動脈硬化 ストレス
(No096;2008/04/04)


医療ニュース・バックナンバー