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No101 がんを自然退縮させた患者によるシンポジウム

 生活習慣を改めて自然治癒力を活性化させ、がんを自然退縮させた元患者の体験に学ぶシンポジウム「責任をとれば、ガンは治る」が本年4月13日、千代田区で開かれた。NPO法人ガンの患者学研究所を母体とする日本ウェラー・ザン・ウェル(weller than well)学会(http://www.wtw-gakkai.jp/why/)が主催し、約500人が参加した。元患者4人と自らも大腸がんになった京都産業大教授の田中伸明医師が発表し、がん医療に詳しい医師や学者がコメントを加えた(毎日新聞2008年4月15日)。
 同学会は、治ったがん患者の体験を免疫学などの専門家が分析し、共通項を引き出すことを狙い2006年11月に設立された。がんは死に病という暗いイメージを変えて生活習慣病として位置づけ、患者側から現代がん医療の変革を目指そうという運動を展開している。
 理事長の川竹文夫さんはNHKの元ディレクターで、2000年に腎臓がんになり摘出した。がんの取材を進めるうちに、がんが自然退縮するという症例を知り、2003年にNHK教育テレビでドキュメンタリー番組「人間はなぜ治るのか」を制作した。「心の転換でがんが自然退縮していく」をテーマに、国内はもちろん海外にまで出かけて取材し、患者のインタビューを中心とした番組は大きな反響を呼んだ。その後、講演依頼が相次ぎ、これは放っておけないと思い、2007年にNHKを退職し、ガンの患者学研究所を設立した。
 これまでがんの自然退縮はありえないこととされてきたが、最近、珍しくないことがわかってきている。がんの発病に関わる遺伝子の研究からも、がん抑制遺伝子の活性化や発がん遺伝子の変異によって細胞死(アポトーシス)や細胞の老化をきたすことからがんの自然退縮を説明されている。ユニークな本学会の発展が期待される所以である。(TI


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(No101n;2008/06/27)


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