医療教育情報センター

No105 看護師の確保−離職の防止対策を−

 先日、日本とインドネシアとの経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシア人の介護福祉士と看護師の候補者205名が来日した。EPAは、貿易自由化や労働力の受け入れなど、2国間の経済関係を強化する取り決めである。介護や看護といった医療福祉領域での外国人の本格的な受け入れは初めてのこともあり、言葉や文化の違いによるコミュニケーションなどで多くの問題が予想されている。日本看護協会では、「受け入れはあくまでもEPAに基づくもので、看護師不足への対応ではない」と国民への理解を求めている。
 看護師の確保は、従来から国の重要な施策の1つとして位置づけられ、平成4年には「看護師等の人材確保の促進に関する法律」が成立した。同法に基づく基本方針を踏まえ、さまざまな施策を総合的に講ずることにより、「看護職員需給見通し」の達成に向けた取り組みが行われている。その結果、平成18年度末現在の看護師、准看護師の就業者数は1,194,121人であり、過去20年間で約2倍に増えている。しかし医療現場では、看護師不足が問題となっている。その背景には、離職が原因で看護職の需要増に供給がついていけないことがあげられている。
 例えば、2006年3月に看護系大学や専門学校等を卒業した者は、入学定員48,800人に対して45,800人(94%)であった。そのうち国家試験合格者は41,600人(卒業者の91%)、病院に就職した者は38,300人(国家試験合格者の92%)、病院就職後1年以内の離職率9.3%であった。結果として1年後には、病院就業者数は34,800人になり、入学定員の71%となると推計されている(看護関係統計資料集:日本看護協会出版会)。
 医療現場では、平均在院日数の短縮や患者の病気の重症化などによって、より高度化、専門化した医療・看護技術が求められる。このような医療状況のもと、自分の看護技術に自信の持てない新卒看護師のストレスは大変大きく、離職の原因となっている。こうしたことへの対応として、新卒看護師を看護師として「一人前」に育てるための生涯教育の実施やカリキュラムの改正を平成21年4月から実施し、看護基礎教育の充実に向けた取組を進める多方面からのアプローチが行われるので今後に注目したい。(EN)


看護師の養成 看護職就業者数 看護師の離職率 看護師カリキュラムの改正
(No105n;2008/09/08)

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