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No116 がん免疫細胞療法

 がんの治療法として、手術、放射線、化学療法、に次いで第4の治療法として免疫細胞療法がある。患者自身の末梢血から得られたTリンパ球や樹状細胞などの免疫細胞を体外で培養、活性化させたものを体内に戻し、その免疫細胞に腫瘍を攻撃させる治療法である。活性化自己リンパ球療法では、通常、腕の静脈へ点滴で行うが、病巣局所へ直接注入やがん組織へ行く動脈、胸腔内や腹腔内への注入を行う場合がある。樹状細胞ワクチン療法は皮内もしくは皮下に注射する。ガンマ・デルタT細胞療法と抗体療法との併用もこれから期待できそうな治療である。
 がんの転移期や初期治療後などに行われている化学療法に比べ、食欲不振、脱毛、倦怠感などの副作用がほとんどないことが特徴であるが、まれに軽度の発熱、アレルギー反応が起こることがある。
 化学療法や放射線療法やその他の治療と併用する場合もある。術後の補助療法として免疫細胞療法は、肝がんに対する手術後の無再発生存率や抗がん剤等の併用による肝がんに対する手術後生存率が、統計的に有意な改善をもたらすという無作為化比較実験による研究結果が報告されている。 瀬田クリニックグループで1クール以上の治療を行った大半が進行がん、あるいは再発例の835例の成績では、完全寛解と部分寛解が128例、6ヶ月以上進行が抑えられた例72例を加え、有効率24%で、不変や進行例を加え無効例は78%と報告されている。
 がんの転移するときに、体内の免疫の働きが抑制されていることに注目し、細胞が体内で移動する際に、重要な働きをする「スネイル」というたんぱく質に着眼し、このたんぱく質を抑える治療は、転移と免疫抑制の両方を同時に抑える可能性があると、慶大グループが発表した。(SS


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(No116n;2009/03/06)


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