医療教育情報センター

No126 インフルエンザ合併症

 インフルエンザの合併症としては、インフルエンザ肺炎、細菌性肺炎、慢性気管支炎や喘息の増悪などの肺障害が知られているが、他には次のようなものが挙げられる。
 副鼻腔炎、中耳炎は小児でよくみられる。筋炎、横紋筋融解症、ミオグロビン尿症が起こると、血清CK高値や急性腎不全による尿量減少やミオグロビン尿による尿の黒褐色化などで気づかれる。
 心筋炎、膵臓炎、が1918年-1919年の世界的大流行の際、剖検で認められた。その他は、心電図異常が以前からあった心疾患の感染による増悪所見であることが多いようである。
 脳炎、横断性脊髄炎、ギラン・バレ症候群などの合併も報告されている。黄色ブドウ球菌やA型連鎖球菌の感染合併で細菌の外毒素による中毒性ショック症候群が起こる。後者は高熱、消化器症状(嘔吐、下痢)、神経症状(頭痛、意識障害)、皮膚症状(発疹、落屑)などの急性全身症状と肝・腎障害が起こる。
 インフルエンザウイルスが感染すると、免疫細胞がウイルスを攻撃するために色々な蛋白質(サイトカイン)を出す。サイトカインが過剰に分泌されると、血液中の物質が血管の外に漏れやすくなる。脳内では、血管から漏れ出た物質で、脳の組織が腫れて脳内の圧力が高まり、脳機能の低下につながる場合がある。そのために、意識障害やけいれんなどが起こる。幻覚や異常行動なども報告されている。これは5歳以下の幼児に多く、毎年約110人位報告されている。日本人を含めた東アジア人は欧米人より脳症になりやすいようである。新型インフルエンザが季節性インフルエンザより脳症を起こしやすいかどうかはまだ不明である。季節性でもA香港型はAソ連型やB型より起こしやすいと言われている。ライ症候群は、小児にみられる急性脳症で、肝障害を伴い、発熱時のアスピリンなどの解熱薬の使用が原因であると考えられている。(SS


QOL SF36 医療評価 健康概念 慢性疾患
(No126n;2009/09/18)


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