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No129 中医協委員をはずされた日本医師会

 先の衆議院選挙で民主党が圧勝して政権交代になったのを機に、中央社会保険医療協議会(中医協)の日本医師会(日医)からの代表が排除された。中医協は年間30兆円を超える医療費の配分を決定する重要な組織である。
 中医協は10月1日付けで任期が切れた診療側(2号側)委員5名のうち、日医枠の委員3名を今回の任期切れの後任人事から外した。これで日医枠はなくなったのである。
 これまで日医は長い間、「政権与党である自民党を支持政党とする」との方針で今日まで来たが、衆議院選挙の結果、日医現執行部は自民党支持の白紙撤回を行った。しかしそれ以前に民主党支持の県医師会があり、ここへきて医師会内の対立が表面化した。来年4月の日医会長選挙に現会長の3期目続投が公表されると同時に、民主党支持派の対立候補が立候補を表明した。
 そうした中にあって長妻厚生労働相は中医協から日医現執行部の代表委員を排除したのである。その代わりとして選んだのは、日医内で非主流派と目されていた茨城県医師会理事と京都府医師会副会長に決まった。医療機関側のもう一人の枠は、全国医学部長病院長会議から山形大学医学部長が選ばれた。
 政権交代と日医内の対立が関連したのが、今回の中医協人事であろう。しかし国民にとって日医内の主導権争いなどどうでもよいことである。問題は2年に一度行われる医療費改定の議論が、真に国民のため、医療の質の向上のために行われることである。従来から日医は開業医の利益を優先してきたという批判があった。しかし医師は開業医ばかりではない。過酷な労働を強いられている救急医療、小児科、産科などの病院勤務医にも目を向けねばならない。勿論、地域で利益を度外視している開業医もいる。
 これを機会に開業医も病院勤務医も同じ土俵の上で、診療に必要な医療費の問題を議論しなければならない。わが国における唯一の医師の職能団体である日医が国民に良い医療を提供するために、削減され続けてきた医療費について改善するよう一丸となるべきである。(NH


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(No129n;2009/10/29))


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