医療教育情報センター

No142 介護職に喀痰吸引を認める

 介護施設に入所している高齢者の中で痰の排出が困難になり、吸引が必要となる人や認知症が進行して経口摂取ができなくなり経管栄養となる人が多くなり、特に夜間は看護師が不在である特別養護老人ホームでは介護福祉士が吸引を行ない、経管栄養も行うことがあったが、この吸引或いは経管栄養は医療行為であり、医療職でなければ出来ないとされていた。平成22年4月1日厚生労働省医政局通知により特養でこれらの行為が可能となった。通知で認められたのは、特養で行われる口腔内のたんの吸引と、胃瘻から経管栄養であるが、それを実施するために、12時間の研修を受けた看護師が介護福祉士に対して14時間の研修を行い、入所者本人または家族の書面での同意が必要とされている。その他、医師の指示の下、看護師と連携しながら実施、たん吸引に関する手順書の整備、定期的な実施体制の評価・検証、個別具体的な計画の整備、安全確保のため施設内委員会の設置などが求められている。
 厚生労働省では2008年11月「安心と希望の介護ビジョン」委員会で新しい介護職として療養介護士(仮称)の創設を検討したが、見送りとなり、「特別養護老人ホームにおける看護職員と介護職員の連携によるケアの在り方に関する検討会」での議論の末、通知されたような条件がつけられたようである。  必要に迫られて介護施設で行われていた介護福祉士による喀痰吸引と経管栄養が正式に認められるためには、入所者の安全を第一に考えるとこれ位厳しくなければならなくないのかもしれないが、あまり厳しすぎるために条件をクリアできない施設が終末期の高齢者を最期はすべて病院へ搬送すると言うことにならなければ良いがと危惧する。(SF


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(No142n;2010/06/25)


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