医療教育情報センター

No144 グルコサミンは腰痛患者に効かない

 健康食品やサプリメントの利用が拡大している。日本では約3割の人が毎日利用し、過去の使用経験を含めると約8割が利用しているといわれている。健康食品やサプリメントを使用する目的としては、健康維持、栄養の補給、疲労回復、ダイエット、成人病予防が挙げられているが、約5%の人は病気の治療に使っているという。健康食品は食品であって医薬品ではない。これを病気の治療に用いるのは大きな誤りである。病気を治すには医薬品を用いなければならない。
 サプリメントについては、本センターの第8回市民公開シンポジウム(H22/6/5)でも取り上げた。そのときにもお話したが、健康食品やサプリメントの有効性に関する医学的データは乏しい。わが国で市販されている健康食品の多くは、国立健康・栄養研究所が出している情報でも、安全性については「示唆されている」というが、有効性については「調べた文献では見当たらない」というのが多い。
 そのような時、「腰痛患者にグルコサミンは効果がない」という学術論文が出た(米国医師会雑誌、JAMA 2010;304:45−52)。グルコサミンはわが国でもよく売れている健康食品の一つであり、カニやエビの甲殻にあるキチンから得られる。新聞広告の宣伝文には「関節を滑らかにする」、「関節の痛みを和らげる」、「立ったり座ったりするのが億劫な人に」と書かれている。
 この論文によれば、ノールウエー・オスロ大学病院で25歳以上の6ヶ月以上続く非特異的腰痛患者250人を対象に調査した。無作為にグルコサミン1500mgを125人に、偽薬を125人に6ヶ月間経口投与し、治療完了してから6ヵ月後まで追跡した。
 その結果、腰痛に対してグルコサミンは偽薬に優る効果はなかったことが明らかになった。この研究はグルコサミンに関する初の大規模無作為化試験であるという。なお副作用は重症なものはなく、軽い皮膚症状、消化器症状であった。(NH) -->


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(No144n;2010/08/06)


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