医療教育情報センター

No160 原発事故と放射線障害

 福島第1原子力発電所事故で放射能漏れが続き、放射線障害が大きな関心を集めている。
 放射線を出す能力を放射能といい、放射線を出す物質を放射性物質という。ホタルの光を放射線にたとえると、光を出すホタルは放射性物質、ホタルの光を出す能力が放射能、虫カゴからホタルが逃げ出すことは放射能漏れに当たる。 放射性物質が出す放射線には、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、エックス線、中性子線などの種類がある。これらの放射線には種類により異なる透過力があり、アルファ線は紙を透過できない。ベータ線は紙を透過できるが、アルミニウムなどの薄い金属板を透過できない。ガンマ線やエックス線は薄い金属板は透過できるが、鉛や厚い鉄の板などは透過できない。中性子線は厚い金属板を透過できるが、水やコンクリートを透過できない。
 放射能の単位には、キュリー、ベクレルがある。
 単位重量あたりに放射線により与えられた平均エネルギーを吸収線量というが、その単位にはグレイ、ラッドがある。人が受けた放射線の影響を考慮した線量の単位にシーベルト、レムがある。
 100ミリシーベルトの吸収線量で「がん」になるリスクが5%増えるが、100ミリシーベルト以下では、リスクが高くなるという明らかな証拠は認められていない。
 現在までに発電所外の空気、水道水、海水、原乳、野菜、魚、土壌などから検出されたと報道されている主な放射性物質はヨード-131,132、プルトニウム-239、セシウム-137,136,134、キセノン-133、テルル-132などである。
 当原発敷地内の検出値を除くと、今までのところ直ちに健康被害を起こす数値とは桁違いに低い値を保っているが、身体内に入って放射線を受ける内部被爆の可能性がある水道水、原乳、野菜、魚などは安全率を数十〜数百倍位にして行政的な対策がとられている。汚染された土壌に関しては農作物の植え付けを制限する対策がとられると報道されている。(SS


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(No160n;2011/04/22)


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