医療教育情報センター

No168 日本人が見つけた「Tako-Tsubo(たこつぼ)型心筋症」

 或る友人が書いたものに「知り合いの外国人医師から、Takayasu(高安)病になった人がいると聞き、Takayasu病は白人は余り罹らないので不思議に思い、問い質したところTako-Tsubo(蛸壺)症候群の誤りだった」とあった。外国人には日本語は難しい。漢字が表意文字であることを理解し難い。ましてやロ−マ字で表記されていれば尚更である。Tak-が頭の中に残っていたらしい。
 「心筋症」は、原因がよく分からないものが多く、種類も沢山ある。いろいろな心臓疾患を除外して診断がつけられることが多い。ウイルス感染や細菌感染による原因がはっきりとした炎症(心筋炎)ではなく、弁膜症や先天性心疾患によるものでもなく、冠動脈硬化・血栓症による虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)でもない、心筋自体に要因がある心臓の筋肉の病気の総称である。知らないうちに罹患していたウイルス性心筋炎が治った後の後遺症であったり、或いは代謝異常によるものもあるが、原因がよく分からないものが多い。原因が分からないものを原発性(一次性)心筋症と呼び、他に病気があって二次的に心筋疾患が惹き起こされたものを続発性(二次性)心筋症と呼ぶ。ウイルス性心筋炎で、ウイルスによる炎症が治まった後に起こる心筋症は心筋炎後心筋症とも呼ばれ、続発性の一つである。更に心筋が肥大する肥大型心筋症とか、心筋は肥大しないが心腔が拡張する拡張型心筋症とか、病態によって分類されている名称もある。
 「たこつぼ」心筋症は、心筋梗塞のような症状を呈するが、冠動脈に狭窄や閉塞はないので、虚血性心筋症ではない。特に画像診断で左心室の心尖側の心室腔が拡張し、血液が大動脈へ押し出される出口側(流出路)の心筋が厚くなり、そのためこの流出路の腔は蛸壺の口のように狭くなっているものである。その名の通りこの病態は日本人の命名による。(IS


心筋症  心筋炎 肥大型心筋症 拡張型心筋症 蛸壺心筋症
(No168n;2011/09/23)


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