医療教育情報センター

No170 心房細動のある人に新しい脳梗塞予防薬

弁膜症など他の病気がなくて、心臓がブルブルと震える不整脈の一つである「心房細動」の人は、心臓で血の塊(血栓)ができ、血栓が脳に移動して、脳梗塞を起こす危険がある。今までは、ワルファリンカリウム(商品名ワーファリン)を服用するのが一般の予防法だった。この薬は、ビタミンKを含む物を食べると、効きにくくなる。このため、ブロッコリー、納豆、クロレラ、青汁などをあまり食べないように心がけることが必要であった。さらに、この薬は月に一度、効き具合をみながら、0.5ミリグラム単位で飲む量の調節が必要だった。
ダビガトラン(商品名プラザキサ)という血栓を防ぎ、何でも食べることができる新薬が平成23年年1月承認され、3月に発売された。この新薬は、ビタミンKと無関係に直接、血液を固めにくくするため、飲む量の調節が不要なうえ、食事も制限しなくて済む。
 しかし腎障害のある場合は、飲む量を減らす必要があり、重い腎障害では使えない。副作用は出血だが、ワルファリンカリウムより危険性が低いとのデータがあるが、腎障害や高齢者では危険性は高まるようである。新薬の効果のほうは、脳梗塞を含む脳卒中の発生率はワルファリンカリウムより低いという結果がでた。
 新薬は薬価がワルファリンカリウムより高めであることと、出血リスクを事前に知る手段が限られること、抗血小板薬との併用で出血しやすいなどがある。しかし利点も多く、重い腎障害がない場合には、この新薬による予防が主流になる可能性が大きいと考えられる。 (SS


心房細動 脳梗塞予防 新薬 腎障害 出血リスク
(No170n;2011/11/03)


医療ニュース・バックナンバー