医療教育情報センター

No180 死生観(Quality of Dying and Death)

 医学の進歩により疾患の原因が究明され、その治療法を開発して、普及させることにより人の平均寿命も延びてきたが、し かし人は何時か死ぬ運命にある。誰もが迎えなければならない死にも関心が向けられ、「良い死」とはどのような死であるか 議論され、終末期のケアに関しても調査されるようになった。がん末期の患者に対する緩和医療はかなり普及しているが、終 末期医療をより良くするためには、結果を比較するにも、そのケアの質を測定する何らかの方法が必要となる。
 Patrick & Curtis (2002)はQuality of dying and death(QODD)を測定する方法として31項目からなる質問を開発し,死亡し た患者の家族とその関係者及び世話をした看護師に対して面談調査をした。「患者の願い通りに、なおかつ専門的そして倫理 的に許容できる範囲で不快から開放された死」というのが質の高い死と言われ、高い評価が得られたのは在宅での死と患者の 望む場所での死、苦痛が少なく症状緩和がなされていることであった。またどれほど患者の願いを理解し、治療内容を説明し たかということが終末期の高い評価につながり、事前指示書の有無は総得点にあまり関係がなかった。
 現代医学の進歩は目覚しくいろいろな事ができるようになり、その適応が問題となる。超高齢社会となった日本では高齢者 特に認知症末期の高齢者への医療をどのようにするか、終末期のケアも含めて医療関係者だけでなく一般市民も含めて議論す る必要がある。何時何処でどのような死を迎えるか人によって異なるが、自分の意思では選べなくなることもある。そこであ らかじめどのようにして欲しいかの意思表示をしておくことが必要となる。 (SF


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(No180n;2012/05/11)


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