医療教育情報センター

No186 人工的水分・栄養補給(AHN)

 患者さんが経口的に食事摂取できなくなった時、消化管が機能していれば、鼻孔より管を入れて胃あるいは腸へ直接水分や栄養を注入することができる。最近では内視鏡を使って直接胃に孔を開けて管をつける胃瘻造設(PEG)が比較的容易に出来るようになった。
 現在臨床の現場では認知症の末期になって経口的に食事が出来なくなった人に人工的水分・栄養補給(AHN:artificial hydration and nutrition)を行うべきか否かということが問題となっている。
 日本老年医学会は平成22年度厚労省老健局老人保健健康増進等事業の一つとして「認知症末期患者に対する人工的栄養・水分補給法の導入・差控え・中止に関するガイドライン作成へ向けた検討」を行い、平成23年2月27日に東京大学の鉄門記念講堂で公開シンポジュウム「食べられなくなったらどうしますか?=認知症のターミナルケアを考える=」を開催した。このシンポジウムでは筑波大学の飯島節教授が「認知症高齢者の終末期の医療およびケアをめぐる諸問題」について講演し、続いて患者・家族、看護師、医師に対して行われた面接調査報告が紹介された後にシンポジウムがもたれた。
 さらに平成23年12月4日に東大安田講堂で平成23年度老健事業シンポジウム「認知症の終末期ケアを考える・・死生観を見つめて・・」が開催され、老年医学会より「高齢者の終末期の医療およびケアに関する日本老年医学会の「立場表明」(改定案)について」の紹介が飯島節教授よりなされた。「本ガイドラインは、臨床現場において、医療・介護従事者が、高齢者ケアのプロセスにおいて、本人・家族とのコミュニケーションを通して、AHN導入をめぐる選択をしなければならなくなった場合に、適切な意思決定プロセスを辿ることができるように、ガイドするものである」とされている。 (SF


AHN 
PEG 認知症末期 ターミナルケア ガイドライン
(No186n;2012/08/17)


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