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No187 認知症高齢者の増加とアルツハイマー病の診断と増悪因子

 厚生労働省は8月24日、2012年の認知症高齢者が推計で305万人に上がると発表した。65歳以上人口の約10%を占める。従来の予想を上回るペースの増加で、20年には400万人を超える見通しだ。
 厚労省によると、03年時点での予想は10年で208万人、15年で250万人、20年で289万人だった。同省は認知症高齢者が当初の予想を上回った原因について(1)介護保険制度が普及し調査対象者が増えた(2)高齢者の寿命が延びた(3)病院に受診する高齢者がふえたなど、と分析している。
 しかし、10年9月の要介護認定に関するデータを基に推計し直した結果、10年ですでに280万人と予想の1.35倍となっていたことが判明している。15年で345万人、20年で410万人、25年で470万人に達するという。
 小宮山洋子厚労相は同日の閣議後記者会見で、「新たな推計を基に今後5年間の具体的な認知症対策を策定する」と述べた。
 認知症の原因で最も多いアルツハイマー病は認知度の計測と、脳画像検査が診断のために重要である。認知度は日常生活で起こった不都合なエピソード(火の消し忘れで鍋を焦がした、食事をしたのを忘れた、仕事の能率が落ちた、など)が重要である。画像も肉眼で判別が難しい場合も、VSRADという関心領域(海馬傍回)の萎縮を脳MRI画像からコンピューターで解析する検査方法が利用されている。
 アルツハイマー病の増悪因子としては、薬物・アルコール・うっ血性心不全・慢性閉塞性肺疾患・視力障害・聴力障害・脱水・軽度の炎症・軽度の異常(電解質・血糖・甲状腺ホルモン)・低酸素血症・栄養障害・硬膜下血腫・軽度の脳卒中・便秘・疼痛・環境変化・精神疾患などがあり、これらのコントロールでアルツハイマー病の進行を遅くできる。
                                                (SS


高齢認知症 予想外増加 アルツハイマー病 診断の進歩 増悪因子
(No187n;2012/08/31)


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