医療教育情報センター

No193 平成23年国民健康・栄養調査結果の概要

 厚生労働省は12月6日、平成23年国民健康・栄養調査結果を公表した。同調査は健康増進法に基づき、国民の身体状況、栄養素摂取量、生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康増進を総合的に推進するための基本資料を得ることを目的に、毎年11月に実施される。今回は東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島県は対象から除いている。
 平成25年度から平成34年度の10年間を対象期間とする「第2次健康日本21」では、「健康寿命の延伸」と「健康格差の縮小」を目標に掲げている。健康寿命とは心身ともに自立した活動的な状態で生存できる期間のことである。調査結果では、「健康寿命」という言葉も意味も知っていた者の割合は、20.0%、言葉だけ知っていた者は14.6%、言葉も意味の知らなかった者は65.5%であった。健康寿命を延伸するために良い生活習慣を実践している者は20歳代20.2%、30歳代23.4%、40歳代32.3%、50歳代37.0%、60歳代49.4%、70歳以上50.3%と、年齢とともに高くなっていた。全体では38.5%であった。健康寿命延伸のために良い生活習慣を実践してない者に「取り組み意識」を尋ねたところ、「すぐにでも改善したい」と回答した者は28.4%、「今は改善するつもりはないが、将来的には改善したい」者が58.2%で、年齢が若い者ほど「取り組み意識」は高かった(20歳代は68.3%)。
 BMI(Body Mass Index)(体重(s)/身長(m)2 )が25以上の肥満者の割合は20〜60歳代男性で31.7%と前年に比べ0.5ポイント上昇している。20〜60歳代女性の肥満者も割合は23.0%で、0.8ポイント上昇している。また運動習慣のある者の割合は男性35.0%、女性29.2%である。日常生活における平均歩数は男性7,233歩、女性6,437歩で男女いずれも目標値(男性9,200歩以上、女性8,300歩以上)には及ばない状況であった。
 喫煙者の割合は男性32.4%(前年と比べて0.2ポイント増)、女性9.7%(前年と比べて1.5ポイント増)であった。なお22年10月のたばこ値上げの影響について調査した結果、 29.2%が「喫煙状況に影響を受けた」と回答があった。その具体的な内容は「本数を減らした」「一時的に吸うのはやめたが、また吸い始めた」などである。「吸うのをやめた」者はそのうちの15.0%と少なかった。
 ついで栄養素摂取量については以下のとおりである。20歳以上成人の野菜摂取量の1日あたり平均値は277.4gで前年に比べ4.3g減少した。また10年前の平成13年との比較では18.4g減少している(目標値は350gである)。果実類の1日当たりの平均摂取量は110.3g(13年と比べ22.0g減)、魚介類は78.6g、(24.3g減)、肉類は昨年と比べて6.7g増の80.7gであった。とくに20〜40歳代で野菜、果実、魚介類の摂取量が少なかった。
 また調査対象世帯の年間収入を「200万円未満」「200万円以上600万円未満」「600万円以上」に区分をし、食品摂取量を比較した結果、魚介類以外で収入による摂取量の差が認められた。野菜類では「600万円以上」の世帯が男女とも283.4g、「200万円以上600万円未満」では男性266.0g、女性271.2g、「200万円未満」では男性258.7g、女性266.5gであった。果実類と肉類の摂取量も、男女ともども収入が低い世帯で少なく、収入による摂取量に有意差が認められた。これらの比較は今回が初めてであったが、今後はこれらのデータを生かした健康支援の方略の検討が求められるであろう。(EN


国民健康・栄養調査 第2次健康日本21 健康寿命 健康格差 生活習慣
(No193n;2012/12/28)


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