医療教育情報センター

No198 終末期ケアプラン(Advance Care Planning)

 2005年に65歳以上の高齢者数が総人口の20.2%、2010年に23.0%、2055年には39.4%になると予測される超高齢社会となった日本では、これからの高齢者の終末期ケアをどのようにすべきか大きな問題になると思われる。複数の疾患を抱え、回復力も衰えた虚弱高齢者に対する医療をどこまでやるべきか判断に苦しむところである。特に認知症を併発した高齢者本人が意思表示をすることができないときには家族に判断を求めることになるが、予め本人の意向を入れたケアプランがあれば参考になる。
 慢性疾患を抱えた高齢者が回復の可能性が期待できなくなった時に、今後予測される終末期にどのようなケアを求めるか家族と医療従事者を含めて話し合う必要がある。しかし第一線の病院医療の現場では医療を担当する医師にはなかなかそのような時間の調整がつき難いかもしれない。家庭医あるいはかかりつけ医があれば、患者のことを一番よく分かっているので何かの機会に終末期のケアについても話し合うことが求められるのではないだろうか。また介護が必要になった高齢者については介護支援専門員(ケアマネージャー)がケアプランを立てる時に、終末期ケアプランについても話し合う必要がある。
 自宅で介護ができなくなった高齢者が特別養護老人ホームに入所してきた時、こうした施設で要介護高齢者のケアに従事する医師として、本人と家族に将来のことについて終末期をどうするか話し合うようにしている。ほとんどの人は認知症を持っていて、認知症の一般的な経過すなわち徐々に自分では何もできなくなり、口から食べる事ができなくなるが、その時経管栄養をするか、さらに急死の可能性もあることを説明して、大まかな終末期ケアプランを立てるようにしている。さらに入所後、利用者が弱ってきて終末期が近づいたと判断される時に再度家族を呼んで、出来れば本人も交えて具体的な延命措置に関しての意見を聞くようにしている。その時、人生の最期を迎えようとしている本人にとって何をするのが最適かを考えるが、家族にしてみれば積極的治療を受けない決断に躊躇があるのかも知れない。(SF


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(No198n;2013/03/22)


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