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フレイル
No002h (2018/04/02)
 ヒトは歳をとれば誰でも体力や気力が衰えてきます。これは自然のことですが、この体の弱った状態を「虚弱」と言います。「虚弱」になるスピードやその程度はヒトによって異なります。高齢者が要介護となる原因は、病気よりもこの「虚弱」が原因であることが多いと言われています。しかも「虚弱」になることは、普段から予防に心がけることで介護を必要とせず、自立した状態を維持することが出来ることも分かってきました。
 「虚弱」は英語でfrailtyと言います。虚弱という表現は「老い衰えた」というマイナスのイメージが強いので、日本老年医学会では平成26年2月、frailtyの日本語訳として「虚弱」に代えてフレイルと表現することにし、この言葉が広く使われるようになりました。つまり「虚弱」に陥ろうとする高齢者を早期に発見し、適切な予防を心がけることで生活機能の維持・向上を図ることが出来るというのです。

心身の自立を妨げる要因
 ヒトが日常生活を自立できず介護を必要とするには、大きく分けて3つの要因があります。
(1) 身体的フレイル:筋肉・関節活動の低下(サルコペニア、ロコモテイブシンドローム)
(2) 認知的フレイル:物忘れ、軽度認知障害、うつ
(3) 社会的フレイル:外出・交流頻度の減少、億劫、閉じこもり。  上記の3種類の要因は程度の差こそあれ、重なり合って出現し、歩行障害、転倒、関節拘縮、認知症、外出頻度減少、閉じこもりなどを来し、要介護から寝たきりへの道を辿って行くことになります。

フレイルの評価基準
 欧米から多くのfrailtyの評価基準が発表されていますが、LP. Friedの提唱した評価がよく知られています。
(1) 体重減少:1年間に4.5kg以上の減少。
(2) 易疲労感:疲労感を感じる。
(3) 筋力低下:握力 男性26kg以下、女性18kg以下。
(4) 歩行速度低下:1m/秒 以下。
(5) 身体活動低下:軽い運動、体操を定期的にしていない。
 上記5項目中3項目以上該当した場合をフレイル、1〜2項目に該当した場合はプレフレイルと定義します。Friedによると、フレイルと判定された人は、その後の追跡で死亡率が高かったことが報告され、5年生存率は約70%であったと報告しています。

 わが国ではフレイルをより簡便にチェックする簡易版が用いられています。
(1)6か月間で2〜3kg以上の体重減少がありましたか?
(2)以前に比べて歩く速度が遅くなりましたか?
(3)ウォーキングなどの運動を週1度以上していますか?
(4)5分前のことを思い出せますか?
(5)ここ2週間訳もなく疲れたと感じますか?
 5項目中3つ以上満たす場合、要介護、転倒、死亡リスクが有意に高いそうです。
NH
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