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我が国の生殖補助医療
No212n (2014/01/10)
 不妊治療は、不妊の原因を調べて治療する方法と、原因を問わず人工授精や体外授精といった生殖補助医療を行う方法に大別される。近年増えているのが生殖補助医療である。日本産婦人科学会によると、2010年、体外授精(顕微授精を含む)の件数は年間約24万2千件余、生殖補助医療を行う医療機関は約600カ所ある。いずれも人口が日本の2倍の米国を上回る。このため我が国は「世界一の不妊治療大国」と呼ばれている。
 人工授精(AIH)は、男性から採取した精液を洗浄、濃縮した後、排卵日に合わせて細い管で女性の子宮内に注入する。体外授精(IVF)は、女性から採取した卵子と男性から採取した精子を体外で授精させ、培養してから子宮に移植する。通常の体外授精では授精しない男性の精子無力症などの場合、顕微鏡で見ながら精子を卵子の細胞質へ注入する顕微授精(ICSI)もある。
 カップル以外の第三者の精子や卵子、受精卵(胚)を使う方法もある。非配偶者間の人工授精(AID)による子供は、我が国では49(昭和24)年に初めて誕生した。90年代後半から国内で広く行われ、これまでに1万人以上が誕生したと推計されている。卵子バンクが始まっており、健康な未婚女性が将来の妊娠に備えて卵子を凍結保存することを日本生殖医学会が認める指針を決めた。国内で別の女性(代理母)が妊娠・出産する代理出産が行われたと公表された。こうした第三者が関わる生殖補助医療に関する法律が我が国では存在しない。大きな課題とされ、長く法整備の必要性が指摘されてきた。関係の学会などが見解を発表している。日本産科婦人科学会は、AIDは他の妊娠の可能性がない場合などで認める、代理出産は認めない、胚(受精卵)の移植は認めない、などの会告がある。厚生労働省審議会の2003年の報告書では、精子、卵子、胚の提供を条件付きで容認する一方、代理母は認めなかった。日本弁護士連合会は、胚の移植や代理母を認めない。日本学術会議は08年、代理出産を原則禁止としつつ、臨床試験としての「試行的」実施は認める報告書をまとめた。自民党生殖補助医療に関するプロジェクトチームの古川俊治氏座長は卵子提供、代理出産を認める方針で法的規制と、AIDで生まれた子にとって誰が血縁上の父親なのかという「出自を知る権利」は認めるガイドラインを、今月開会する通常国会への提案を目指すと述べている。
SS
   不妊治療 | 生殖補助医療 | AIH | IVF | ICSI | AID
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