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薬のネット販売とセルフメディケーション
No214n (2014/02/07)
 市販薬のネット販売はこれまで、厚生労働省令で副作用リスクが低い3類を除いて禁止されていた。これを不当として、ネット医薬品販売大手のケンコーコム(東京)など2社が、1、2類も販売できるよう国に求めて提訴。最高裁が昨年1月、省令を違法と判断したのを受け、大衆薬(一般用医薬品)のネット販売がルールがないまま多数の業者が参入する事実上の全面解禁状態となった。
 政府はこれを受け、昨年12月に成立した改正薬事法により、劇薬5品目と、医師が処方する医薬品から大衆薬になったばかりの一部商品は副作用のリスクが高いため「要指導医薬品」に指定し、3年間はネット販売を禁止。処方薬と大衆薬の中間に位置づけ、ネット販売を認めず薬局や薬店での対面販売に限ることにした。
 別の観点からすれば、市販薬約11、300品目のの99・8%はほぼ全面的にネット販売が認められることになる。しかしながら、ケンコーコムは本年1月、改正薬事法でインターネット販売を規制するのは営業の自由を保障する憲法に違反するとして、国に規制差し止めを求める行政訴訟を東京地裁に起こしている。
 ちなみに、セルフメディケーション(Self-medication)とは、WHOでは「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義している。医師の処方箋が必要となる医療用医薬品以外の市販薬を用いて自分で治療することを意味する。市販薬は、一般の人が風邪など日常的な軽い病気の症状を改善するために購入し、自らの判断で使用するものと定義される。薬を家庭に配置し販売する“富山の置き薬”といわれているものもこれに相当する。
 セルフメディケーションという言葉には、上記の意味以外に健康を自己管理するという意味でも用いられる。この場合、健康食品や鍼灸(しんきゅう)など代替医療も利用しながら、症状の改善や健康の増進をはかることになる。医療の主体が急性疾患から、食事や運動などの日常生活がその発症や経過に影響する生活習慣病などの慢性疾患へと変化している現在ではなおさらである。
 薬は本来、病気を根本から治すものではなく、程度の差はあっても副作用はつきものである。薬を服用する前にセルフケアが求められる。「自分は健康だ」と考えるふだんの心身の状態を把握しておき、体調に変化があってもすぐに病院に駆けつけない。まず自分で判断し、たいしたことはないと思えば様子を見る。原因として思い当たることがあれば取り除く。さらに、市販薬を服用しても変わらないときや、「いつもと違う。ただ事ではない」とピンとくるものがあれば受診するのである。各人は自己責任で自らの健康管理が求められ、その手段の一つとしてセルフメディケーションが存在すると考えるべきである。
TI
   市販薬大衆薬ネット販売改正薬事法 | セルフメディケーション
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