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関節痛を治すと言われているムコ多糖体とは何?
No216n (2014/03/07)
 ムコ(muco)とは粘液(mucin)のことであり、多糖体とは分子量の大きい糖のことである。粘液は粘着性のある、ねばねばした分泌物である。さらさらした分泌液は奬液(serous fluid)と呼ばれる。粘液(mucin)は蛋白質の基であるアミノ酸をもっている。ムコ多糖体は、蛋白質と糖が結合している糖蛋白と総称されるものの一つである。細胞の間に存在するゼリ−状の物質で、眼の水晶体、臍帯、胎盤、関節液、胸水、腹水、心嚢液、皮膚、軟骨、結合組織などに多く、潤滑油の役目を果たしている。ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸(chondro-とは軟骨のこと)、デルマタン硫酸(derma-とは皮膚のこと)、ケラタン硫酸などがムコ多糖体に含まれる。これらは高分子なのだから食べたり飲んだりしても腸管でそのまま吸収することはできない。それらは咀嚼や胃腸管の運動で物理的に砕かれたのち、消化管の細胞が分泌する消化液の酵素によって細かい分子に分解される。糖と蛋白の結合体であるので、その結合が離れて更に多糖体であるのでブドウ糖などの低分子に分解され、蛋白はペプチドから更にアミノ酸に細かく分解さる。細かい小分子でなければ腸の壁を通過して吸収されて腸壁にある毛細血管やリンパ管(脂肪の小分子である脂肪酸はリンパ管へ入る)に入ることは出来ない。
 血管に入った栄養物は門脈と呼ぶ静脈を流れて肝臓に運ばれる。但し脂肪は腸管壁のリンパ管に入るので乳糜管(乳糜とは脂肪成分が多いとその液体はミルクのように白濁するので、そのような名前がついている。すなわちリンパ管の本管である)を通ってから静脈に流れ込む。これらの低分子物質は肝臓へ運ばれ、多くはそこで貯蔵されたり、更に生合成されたりして再び血液に乗って全身の臓器、組織、細胞へ運ばれ、それらが働くエネルギー源やそれらの構造を造る素材となる。だからヒアルロン酸を飲んだり、食べたりしたものがそのまま関節に行くわけではなく、原料を提供しているに過ぎない。それが関節の病気に効くまでにはさまざまの経路を辿らねば関節には到達できない。即ち、即効果があるわけではない。もちろん、関節腔に直接ヒアルロン酸を注入すれば関節内は滑らかになるのだから効果があるので、実際に治療に使われている。例えば関節嚢の滑膜細胞はヒアルロン酸を含む滑液を関節腔内に分泌して関節の動きを滑らかにしている。関節軟骨細胞はコンドロイチン硫酸などのムコ多糖体を含む軟骨基質を造って軟骨という組織を造っているのだ。だから適度の運動が滑膜細胞や軟骨細胞を刺激することになる。運動は筋肉だけを鍛えているのではない。それによって局所の血流もスムースになり、局所の細胞も活性化するのだ。
IS
   ムコ多糖体 | ヒアルロン酸 | コンドロイチン硫酸 | アミノ酸ペプチド
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