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病理医って何をしている人?
No221n (2014/06/13)
 病理医は病理学で得られた知識・技術を医療現場で実践している医師を言う。しかしこれでは一般の人には具体的によく分からないだろう。アメリカでは約80年以前から専門医制度が発足しているが、内科専門医、眼科専門医、病理専門医の3部門から始まっている。日本は明治時代にドイツを手本にして近代医学や大学医学部制度を導入した。そのドイツでは病理学は研究を主体としていたので、日本でも病理学者は研究を専らとし、後述するような医療現場で病理診断を病者のために役立てようとする実践面は軽視されてきた。
 病理学を英語ではPATHOLOGYという。PATHOS−の原義はギリシャ語で「蒙る、苦しみ、受難、痛み、感じ」などの意味を持ち、後に次第に病気とか疾患の意味で使われるようになった。−OLOGYは論文から更に学問分野を表すようになり、今では−学、−論として使われている。病理学は病気の理(ことわり)を探求する学問である。病気で死亡した人の解剖(病理解剖)から始まっている。いろいろの臓器の病変部はどうなっているのか、その現場を目で見たいという素朴な動機から始まっている。病気の現場をこの目で確認しているので、多くの病気は病理学的知見を基として病名が付けられており、病理診断を最終確定診断としてきた。しかし、病理解剖では病気の初期やその途中の状況を見ることはできない。そこでアメリカでSURGICAL PATHOLOGY(日本語での外科を意味するのではなく、メスなどで組織の一部を採って、病理診断をすること)分野が工夫され、医療現場で活用されるようになった。病気のある臓器や組織の一部を採取して病理組織標本を作り、肉眼、顕微鏡などで観察し診断をする分野である。後に内視鏡などが発達してメスで体を傷つけなくても組織標本を鉗子などで採取できるようになった(生検BIOPSY)。これらの組織標本を見て、診断をつけ、内視鏡医に報告しているのが病理専門医である。剥離してばらばらになった細胞の群れを観察し、子宮頸がんのなどの発見に威力を発揮している剥離細胞診EXFOLIATIVE CYTOLOGYも病理専門医の業務範囲内である。病気の根本に迫るので、アメリカでは病理医のことをDoctor of Doctorsと呼んでいる。
 漸くにして日本でも病理診断科が標榜診療科として数年前に医療法で公認された。病理診断科の在る病院ではこの病理専門医が病理診断に当たっている。
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