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感染症集団発生(アウトブレイク)
No238n (2015/04/17)
 病院や老人施設でインフルエンザの集団発生がみられ、死亡者もでたことが報道されているが、集団発生が問題となる感染症としてはその他にノロ感染性胃腸炎、疥癬などがある。病人や高齢者の入っている施設では感染症患者の拡大を防止するためには早期発見と迅速な予防的対策の開始が必要である。そのために医療・福祉施設には感染対策委員会が設置することが義務付けられ、感染症対策マニュアルも作成されている。
 「日本感染症学会提言2012」ではインフルエンザ病院内感染対策の考え方として次のように述べている。「高齢者施設では、インフルエンザ様の患者が2〜3日以内に2名以上発生し、迅速診断でインフルエンザと診断される患者が1名でも発生したら、施設や入所者の実状に応じて同意取得を心掛けたうえで、フロアー全体における抗インフルエンザ薬予防投与を前向きに考慮する」としている。臨床症状からインフルエンザが疑われる患者を個室に隔離し、同室あるいは同じフロアーで発症していない患者に対して予防投与を開始する。インフルエンザの確定診断には診断用の迅速キットがあり、疥癬は病変部からヒゼンダニの虫体あるいは卵を検出することにより診断される。ノロ感染性胃腸炎は容易にウイルス検査ができないので、臨床症状(激しい嘔吐と下痢)から疑う必要がある。
 インフルエンザの予防的治療はノイリミナーゼ阻害剤(オセルタミビル、ザナビビル)の内服または吸入を発病から48時間以内に開始し7〜10日間続ける。疥癬に対してはイベルメクチン(ストロメクトール)の内服とフェノトリン(スミスロンローション)の外用を7〜10日間隔で2回、その区域で患者と接触のある職員も対象として予防投与も必要である。ノロ感染性胃腸炎に対しては特別な薬はなく、患者の隔離と介助者の手洗いの徹底を行なう。
SF
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