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脈圧の大きい人はアルツハイマー病になり易い
No240n (2015/05/29)
 「脈圧の大きい人はアルツハイマー病になり易い」という興味深い研究結果が報告された(JAMA, Neurology誌 電子版、2015年3月30日)。脈圧とは収縮期血圧(最大血圧)から拡張期血圧(最小血圧)を引いた数値で、加齢により大きくなり、動脈硬化の指標となる。
 調査対象は55歳〜91歳の認知機能正常または軽度認知機能障害(MCI)の877名である。アルツハイマー病の指標としては脳脊髄液中のリン酸化タウ(P-tau)、総タウ(T-tau)、βアミロイド(Aβ42)を測定した。  P-tau 陽性者は脈圧が62.0o/Hg(SD 15.6)、陰性者は57.4o/Hg (SD14.0)で陽性者で脈圧は有意に大きかった(P=0.04)。
 80歳以上の超高齢者でP-tauとAβを組み合わせて検討すると、Aβ(+)、P-tau(+)では脈圧69.7o/Hg、Aβ(−)、P-tau (+)では63.18mm/Hg, Aβ(+)、P-tau(−)は60.1mm/Hg, Aβ(−)、P-tau (−)では 56.6o/Hg であり、両者あるいは片方が陽性の群は、両者とも陰性の群より脈圧は有意に大きかった(P=0.03)。55〜79歳の中高年者では、Aβ(+)、P-tau (−)群の脈圧が最も小さく、Aβ(−)、P-tau (+)の脈圧が最も大きかった(P=0.01)。興味深いことは、脈圧の大きい超高齢者では脈圧の小さい人より認知症の進行が、28.4か月の追跡期間で早いことが認められたという。
 加齢による収縮期血圧の上昇は拡張期血圧の上昇より大きく、したがって脈圧の大きさは血管の加齢の指標とされるが、これがアルツハイマー病のバイオマーカーであるタウ蛋白と関係するということは興味深いものがあり、この領域の更なる検討結果を期待したい。
NH
   アルツハイマー病 | タウ蛋白 | βアミロイド脈圧加齢
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