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熱中症
No244n (2015/08/07)
 猛暑日・熱帯夜が続くと、熱中症による救急搬送や、死亡者や、重症者の数などがニュースで流される。
 熱中症は、高温・高熱の条件下でエネルギー消費量の多い労働や運動をすると、循環系や水分・塩分の代謝系に失調が生じて、熱虚脱症、熱痙攣症、熱疲憊が起こる。さらに強い高温・高熱によって体温調節機能に失調をきたすと、発汗停止、高度の体温上昇(41-43°C)、錯乱・せん妄などの精神症状が現れ生命の危険を伴う(熱射病または狭義の熱中症)ことがある。これらの高温・高熱条件による急性障害を総称して、熱中症(広意)と呼んでいる。軽症から重症の順は、熱虚脱、熱痙攣、熱疲憊、熱射病(または狭義の熱中症)である。
 熱虚脱症は、高温・高熱の暴露によって起こる、めまい・失神など循環機能の失調を主体とする熱中症の一つの型である。暑熱に対する体温調節の過程で、血管緊張の低下、末梢血管の拡張、血圧低下、脳の酸素不足などが生じ、その結果として発症する、明らかな水分や塩分の不足は認められないのが普通である。高温に慣れない者、循環系に異常のある者がかかりやすく、突然の姿勢変化や長時間起立、強い運動が誘因となって発症することが多い。
 熱痙攣症は、高温・高熱条件下における大量発汗によって、体内の水分・塩分のアンバランスが生じる。この際、水分だけ補給されて塩分が補給されないと、体内、特に細胞外液の塩分濃度が低下し、筋の興奮性が亢進し、痛みを伴う随意筋の痙攣が起こる。平滑筋も痙攣するため、腹痛や嘔吐も起こる。これを熱痙攣症と言い、熱中症の一つの型である。体温上昇は軽度である。最近は高熱重筋作業が少なくなったので、この型の熱中症はまれになってきている。
 高温・高熱条件下で発汗が続いた際に、失われた水分及び塩分が不十分にしか回復できない場合に熱疲憊が起こる。水分欠乏が主体となって発症する型を水分欠乏性熱疲憊といい、口渇、疲労などの症状を呈し、病状が進むと精神機能が鈍り、重症になると四肢の感覚異常、不安、歩行障害となる。一方、塩分欠乏が主体となって発症する型を塩分欠乏性熱疲憊といい、疲労、吐気、嘔吐、めまい、筋痙攣、循環障害も起こる。
SS
   熱中症 | 熱虚脱症 | 熱痙攣症 | 熱疲憊 | 熱射病
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