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認知症初期集中支援チーム
No245n (2015/09/04)
 高齢者の急増により認知症の人は平成24年に約462万人で、65歳以上高齢者の約7人に1人と推計されている。認知症予備軍といわれる軽度認知障害(MCI)約400万人と合わせると、65歳以上高齢者の約4人に1人が認知症あるいはその予備軍といわれている。平成37年(2025年)には認知症は高齢者の約5人に1人になる見込みである。
 こうした状況の中にあって、社会が認知症の人を支えて行くことは大切であるが、ただ支えればよいと考えるのでなく、認知症の人が住み慣れた地域で、より良く生きて行くことが出来るよう環境の整備に目を向けることも重要である。その観点から厚労省は、平成24年に「認知症施策推進5か年戦略(オレンジプラン)を策定し、その中に「早期診断・早期対応」のための「認知症初期集中支援チーム」の設置を提唱した。その必要性の背景には、@早期対応の遅れから認知症の病状が悪化する、A認知症の人で行動・心理症状(BPSD)が発症してからでは遅い、B認知症が進行してから医療機関へ行って治療を始めるより、早期発見・早期対応は患者・家族にとって質の高いQOLが得られる、C周囲の人々の協力・支援により、認知症の進行が抑制される、などが挙げられる。重要なことは早期に多くの専門職種の人たちが協同して集中的に認知症の人を支援することで、この早期支援機能を発揮するために「認知症初期集中支援チーム」設置の発想となった。
 当初の構想では平成24年度はモデル事業のスキームを検討し、25年度に全国10か所、26年度に全国20か所のモデル事業の実施を計画したが、実際には25年度は14自治体、26年度は41自治体で支援チームが設置された。モデル事業の実施自治体は手挙げ方式であったが、当初の予想より多くの自治体が参加したことは、高齢者認知症の問題が如何に切迫しているかを物語っている。
 平成27年1月、国は新たに「認知症施策推進総合戦略―認知症高齢者にやさしい地域づくりに向けて―」(新オレンジプラン)を策定した。その中にもこの「認知症初期集中支援チーム」はあらためて強調されている。チームの役割として、複数の専門家が認知症が疑われる人や認知症の人、その家族を訪問して面談し、観察して評価をし、本人や家族支援などの初期の状況を包括的、集中的に把握して、本人の自立生活をサポートするよう謳っている。市町村は地域包括支援センターや認知症疾患医療センターを含む病院・診療所にチームを置く。新オレンジプランでは、平成30年度までに全国全ての市町村に設置することを目標としている。
NH
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