HOME 医療ニュースバックナンバー 医療ニュース No250n

医療ニュースバックナンバー

医療事故調査制度スタート
No250n (2015/11/13)
 この制度は1999年に横浜や東京の病院で患者取り違えや薬剤誤投与などが相次ぎ、医療への不信感が高まった。一方で医療界からは、捜査や民事訴訟が現場の萎縮を招き、「医療崩壊」につながるとの指摘もなされた。こうした状況の解消に向け厚生労働省が2008年「医療版事故調査委員会」設置法案の大綱案をまとめたが、警察への通報規定に対する医療界の反発で頓挫した。2012年に議論が再開され、2014年6月、今回の制度を盛り込んだ改正医療法が成立し、2015年10月に医療事故調査制度がスタートした。
 この制度は、全国の医療機関や助産所に対し、「診療行為に関連した患者の予期せぬ死亡や死産」について、第三者機関への届け出と「院内調査」、遺族への説明を義務付けている。病院での不慮の事態に直面した遺族に経緯や原因を示し、再発防止につなげる仕組みとして注目される。
 ただ調査対象が「予期せぬ事故」に限られ、医療機関側が判断する点や、院内調査の報告書を遺族に交付する義務がない点に、患者側から疑問の声もある。医療界には「警察の介入」を警戒する声が根強いが、制度の弾力的な運用により患者側との信頼関係を構築できるか、姿勢が問われる。
 対象は2015年10月1日以降に起きた「予期せぬ死亡事案」で、@厚生労働省が第三者機関に指定した「日本医療安全調査機構」へ届け出、A事故が起きた医療機関による院内調査、B遺族と機構への調査結果の説明、を規定している。機構は、院内調査の行われる事故は年間千〜2千件と想定している。 調査対象に該当するかどうかは、当該医療機関の管理者が、死亡リスクなどに関する患者側への事前説明や診療録への記録などを確認して判断する。院内調査では、カルテの分析や医療従事者への聞き取りなどで事故原因を分析する。外部委員の招聘を原則とし、費用は医療機関が負担する。
 遺族は発生段階では機構に直接調査の依頼はできず、院内調査の結果に納得できない場合に,第三者機関である機構に再調査を要請できる。この際の遺族の費用負担は2万円である。機構が行う調査件数は年間300件程度とみている。
SS
   医療事故調査制度 | 予期せぬ予期せぬ死亡事故 | 院内調査 | 日本医療安全調査機構 | 改正医療法
関連記事サイト内検索  :記事の最後のイニシャルをクリックすると、同じ著者の記事を検索できます。
       :キーワードのリンクをクリックすると関連記事を検索できます。