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わが国で梅毒感染が急増
No256n (2016/02/19)
 梅毒に感染する人がわが国で近年急増している。特に女性は2015年では前年の2倍に増えた。妊娠と時期が重なれば胎児に感染して先天的な梅毒になる恐れもある。厚生労働省は予防を呼びかけている。
 梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌による感染症で、主に性行為で広がる。性器、唇などにしこり、潰瘍ができ、進行すると全身に赤い発疹ができる。重症化すると麻痺なども起こし、死亡することもある。
 国立感染症研究所のデータによると、わが国の感染者は1948年には22万人近かったが、治療薬の開発などで激減し、1990年以降は1,000人を下回り、ほぼ横ばいが続いていた。しかし、2010年から増加傾向に転じ、2013年1,228人、2014年1,671人、2015年は2,600人を超えた。
 なかでも女性の増加が目立ち、2015年10月時点では2010年同期比の約5倍で2014年同期比の2倍の574人にのぼった。このうち76%を15〜35歳が占めている。
 若い女性に感染が増えると、妊娠している場合、胎盤を経由して胎児への感染が心配される。流産や死産を招く危険に加え、生まれた赤ちゃんが先天性の梅毒になる可能性もある。
 先天性梅毒の赤ちゃんは、神経系の障害や肝臓の病気をもっていることが多い。発見の時期によっては赤ちゃんの梅毒の治療は難しい。
 厚労省が標準とする妊婦健診では、妊娠初期(13週まで)に1回、梅毒を含めた性感染症の有無を調べることになっている。その時点で感染がわかれば、妊婦が薬の注射や服用することで、胎児を含め完治できる。だが、妊娠中期(14週)以降に性交渉で感染することもある。妊婦が自身から検査を受けなければ、胎児を含めた感染に気づくのは困難である。
 経済的な理由で妊婦健診を一度も受けない女性もいる。感染リスクを知ってもらうことが最大の予防策として厚労省では、女性を意識したポスターを新たに作った。パートナーと一緒に検査を受けることや、リスクの高い不特定多数との性的接触は避け、コンドームを適切に使うことを呼びかけている。
SS
   梅毒感染急増妊婦 | 先天性梅毒
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