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冠動脈マルチスライスCT
No264n (2016/07/22)
 冠動脈は心臓の壁(主として心筋)に酸素と栄養源を送っている血管である。心臓の表面近くを王冠の如く或いは日蝕時に見られる環(CORONA)の如く、その動脈本幹は心臓の表面を覆い、心筋の中へ心内膜の方へ向かって細い枝を出して心筋層を潅流している。冠動脈本幹は大動脈起始部から左右2本分岐し、左冠動脈は数ミリ〜1p位のところで左下行枝(左室間枝とも言う)と左回旋枝に分かれる。右冠動脈は右心房と右心室の間を右方向に走り、心臓の後壁に至って下行し後下行枝(後室間枝)の大部分或いはその一部となる。動脈の状態を観たいとシネ血管造影法が開発され、現在でも活用されている。
 CT(computed或いはcomputerized tomography、コンピューター制御下断層X線写真)は体の中の一部を狙って或る層のみをX線写真上に鮮明に映し出すもので、その原理を考え装置を具体化した研究者はノーベル賞を受賞している。
 この層を多層化し更に螺旋状(helical)にそれを連結して立体像を描出できるのがマルチスライスmulti-slice CTである。 冠動脈の状態を立体的且つ非観血的に観察できる。

冠動脈マルチスライスCT像

図は、急性心筋梗塞発症直後、冠動脈バイパス手術を受けて数年後の私自身の冠動脈マルチスライスCT像である。
図の矢印(⇒)は、@ 内胸動脈と左下行枝、A 大動脈と左回旋枝、B 大動脈と右冠動脈、C 大動脈と左下行枝の枝である斜角枝(diagonal branch)で、それぞれのバイパス(短絡枝)を示している。全て自家血管移植である。再狭窄は見られない。
コンピューター制御下の医療器械の進歩は凄まじい。
IS
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