HOME 医療ニュースバックナンバー 医療ニュース No276n

医療ニュースバックナンバー

起立性低血圧(Orthostatic Hypotension)(OH)
No276n (2017/03/10)
 起立性低血圧は立ち上がった時に血圧が低下してめまいや失神あるいは転倒を来たすことのある病態で、高齢者に多く見られる。65歳以上の人の約20%、75歳以上では30%に、ナーシングホームに入所している人では50%以上に見られるという報告もある。 起立性低血圧は自律神経の異常によるものと神経以外に原因のあるものがあり、神経の疾患としてはパーキンソン病など自律神経に異常をきたす患者でみられ、神経以外の原因によるものとしては心臓の働きの異常(頻脈)、脱水や失血など循環血液量の減少、薬剤(降圧剤など)などがある。
 起立性低血圧の診断基準は仰臥位で測定した血圧が起立して3分以内に収縮期20mmHg以上、拡張期10mmHg以上 の低下するものとなっている。 起立したとき体内の循環血液量の30%は下半身へ集まり、自律神経の働きで末梢血管の収縮により心臓へ戻され、心臓の働きにも影響を与えて血圧を保つようになっているが、この働きが不十分であると血圧が低下する。食後には消化管への循環血液量が約30%増加するといわれ、これが食後失神の原因ともなる。  自覚症状としてはめまい、つかれ、失神、悪心、頚肩痛、腰痛、言語障害、視力障害、転倒、昏迷、認知障害などが挙げられる。
 治療としては起立すると血圧が下がるので、長時間座っていて急に立ち上がらないようにし、立ち上がる前に足の屈伸運動をする。水分を十分に補給するように心掛け、500mlの水を飲むと2時間ほど血圧が20mmHgほど高くなるというデータもある。弾力性ストッキングや腹部まで圧迫するタイツの着用も効果が有ると言われている。アルコールは血圧を下げる作用があり、控えたほうがよい。
 高血圧で降圧剤による治療を受けている薬により起立性低血圧を来たすものがあり、調整をする。パーキンソン病の治療薬でも血圧が下がるものがある。脱水や下痢により循環血液量が減少して血圧が下がることもある。
薬剤で血圧を上げる治療では、仰臥位の高血圧に注意が必要である。
SF

関連記事サイト内検索  :記事の最後のイニシャルをクリックすると、同じ著者の記事を検索できます。
       :キーワードのリンクをクリックすると関連記事を検索できます。